ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 暗闇の罪人___4up ( No.10 )
日時: 2009/12/02 14:00
名前: 六 ◆BbBCzwKYiA (ID: ERqUQoIM)

5、

(—————) 

ひとつの言葉が浮かんだ。
何かは分からない。
ここに来る前の記憶の中で、唯一思い出したこと。

そこに漂っているような、

手が届かない、それでも確かなモノ。

その時だった。
今まで文字通り何も無かった暗闇に、小さな光が視えたのは。

懐かしいような、悲しいような
寂しいような、

何も感じなくなった筈なのに、一滴だけ、涙が流れた気がした。

遠い、景色
立ち並ぶ名前も忘れた建物に、久しぶりに見る沢山の人間。
その中を歩く———


———“僕“


綺麗なはずの光が、僕の目が其処にいる「僕」を捕らえた瞬間、暗闇に染まっていった。

分からない

何で?

どうして?


———何で、あそこにいるのは「僕」なんだ?


その瞬間、

全てが、見えなくなった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やっと進んだ……!