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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 暗闇の罪人 ( No.4 )
- 日時: 2009/12/02 13:42
- 名前: 六 ◆BbBCzwKYiA (ID: ERqUQoIM)
2.
_________プツン
ヘッドホンから聴こえていた音楽が途切れた。
そう珍しい事でも無かったが、近頃はこうなる事が多くなっていた。
……そろそろ、修理に出すか
そんな事を思いながら、ポケットの中に音が聞こえなくなった音楽プレイヤーを突っ込んだ。
都会特有とも言える騒がしい雑踏の中を歩く。
不意に、昨日見たテレビの中で、芸能人が言っていた言葉を思い出す。
_____異世界には、自分とそっくりの人間がいる。
………くだらない。
人間なんて、所詮はみんな独りだ。
どんな事があっても、異世界なんて存在しないし、そもそもそこが自分達と同じ生活を送るもの達が住んでいるとは限らない。
「独りなんだよ、みんな、皆………」
そう呟いて、雪の降らない冬の道で、家への帰路についた。
______________________
プツン。
何も聞こえないこの場所で、何かが途切れるその音がやけに大きく響いた。
………可笑しいな。ここには途切れる物など、何も無い筈なのに。
音を立てる物など、もう消え失せた筈なのに。
答えなんて探しても、こんな暗い闇で見つかる訳が無い。
ここは、そういう所だ。
………音が聞こえたように思えただけだろう。きっとそうだ。
無理矢理自分に納得させて、瞼を閉じてもあまり変わらないこの場所で、静かに目を閉じた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
………失礼しました。
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