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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 。・*Bloody rose*・。 ( No.3 )
- 日時: 2009/11/21 11:14
- 名前: 架凛 ◆V3sV8pUxpk (ID: 81HzK4GC)
*Ⅰ+ 伝説
「薔薇」
それは、美しきもの————
まさにその少女は、薔薇のようであった————
深い、深い森の奥にいると言われている少女。
「綺麗な薔薇には棘がある」と言うが、少女に棘などなかった。
少女はどこまでも美しくあった……。
雪のような白い肌に薔薇色の頬。
今、その少女を知る者はいない。
正確には、”もう”いない。
もちろん、そこにいるあなたも彼女を知らない……。
どこからか、噂をきいた者は少女を探した。
しかし森に入ればなぜか堂々巡りしてしまい、その者は二度と帰ってはこない……。
「一年に一度、満月の夜。月紅く輝き、全てを染める。
その時扉は開かれ、薔薇は咲き乱れん。
少女、開かれし扉の向こうにて待つ」
これは少女の住むと言われるルージュの森に伝わる伝説だ。
少女の名は、誰も知らない。そして人々は少女をこう呼ぶ。
「Rose」と—————
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