ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 真実ノ詩 ( No.4 )
日時: 2009/11/20 23:34
名前: 幸隆 (ID: nkm2s9o8)

序章〜晴レナイ空〜




今日も空は曇っていた

いつからだろうか・・・

自分が青く澄みきった空を見なくなったのは・・・



どんなに楽しいことがあって

どんなに面白いことがあって

自分に笑顔が戻ったとしても

その笑顔はいつの間にか儚い幻となって

何処かに消え去ってしまう・・・



どんなに空が澄み切って

どんなに太陽が明るく自分を照らしていたとしても

自分にはその空の美しさが

自分を冷ややかに嘲笑っているように見える

むしろ今の自分は夜のほうが好きだ

漆黒の闇がすべてを覆い隠し忘れさせてくれるような気がする

空に冷たく浮かぶ白い月のほうが

太陽よりも自分に元気をくれる




一体どうしてだろう

何故なのだろうか



晴れることのない心の闇・・・

あの日自分は本気で泣いた

初めて自分は人を恨んだ

初めて自分は憎しみを知った



そしていつしか自分の心には殺意が芽生えた

自分の心は残忍な“死神”に蝕まれていた





あの日以来、自分は青空を見た覚えがない



いつか

この思いから解き放たれ

青空を見ることはできるのだろうか





そのためには成し遂げなければならない

憎むべき全ての者どもに



この手で・・死の制裁を・・・・