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Re: 真実ノ詩〜死神ハ夜闇ニ笑ウ〜 ( No.6 )
日時: 2009/11/22 22:53
名前: 幸隆 (ID: nkm2s9o8)

第二章〜滅ビノ村へ〜

1,「悪夢」

ここはどこだろう・・・

ここにいると不思議な気分になる

どこか懐かしく、そして冷たい


辺りを見回すと窓から入った冷たく白い月明かりが床を照らしている

床には本やゴミが床に散乱している

何処かの部屋だろうか・・・

明日葉は立ち上がろうとする

しかし腕が机の脚に結びつけられている

どうやら自分は閉じ込められているらしい

なんとかして抜け出さないと“あいつ”が帰ってきてしまう



ゴスッ・・・



突然鈍い音が暗闇に響き渡る

一体何の音だろう

隣の部屋からのようだ


そういえば自分の母親も“あいつ”に捕まっていたはずだがどこにいるのだろう



「この野郎!!」



ゴスッ・・・



突然の罵声とともに再び鈍く不快なあの音が響き渡る

明日葉は背筋が凍りつくのを感じた



まさか・・・・いや、そんなはずない

信じたくない・・・・!!




でもそうでなくとも誰かが・・・あいつの手で・・・

明日葉は自分の考えていることがあまりにも恐ろしく鳥肌が立つのを感じる



今度は、自分の番かもしれない

もうどうにもならない

そうだ、もう自分は助からないんだ

僕は、もうすぐ殺サレル・・・



月明かりがいっそう明日葉の体に冷たく突き刺さる

明日葉が希望を完全に失ったその時背後から何者かの足音が聞こえてきた

恐怖のあまり後ろを振り返ることが出来ない

そしてその足音は自分の真後ろで止まる

・・・・来た

終わった、今自分のすべてが終わろうとしている



「ククク・・・・ 小僧・・次はお前の番だ・・」



男はそう言うと勢い良く金属バットを持った右手を振り上げる

そしてそのままの体勢で明日葉に話しかけてくる

「答えろ・・・死にたくなければな。お前の親父はどこにいる!!」

知らない・・・と言おうとしたが恐怖で声が出ない

「そうか・・・なら仕方ない。

 ママの所に行かせてやるよ・・・」

男は冷たく言い放つ



・・・え?・・

明日葉は凍りついた

目からは涙が溢れ出してきて止まらない

「・・・・そんな・・・・そんな・・・・

 うそだああああああああああああああ!!」



「うるせえ!!死ねええええええええええええ!!」

男はバットを明日葉めがけて勢い良く振り下ろした


ゴッ・・・


明日葉の世界が赤く染まった