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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: セカイ ( No.11 )
- 日時: 2009/11/25 07:20
- 名前: 瑠花 (ID: SHYi7mZj)
第四話-溜まり場-
「まだ…ですかー?」
茜がそう聞く。
先程から茜は息を切らしていた。
瓦礫の町の中を歩いていくのかと思いきや、リアに連れられたのは町外れの坂だったのだ。
実際はあまり距離は無いのだが、この坂のせいで足が酷く重くなる。
茜は膝を抱えながら歩くが、リアは特に辛そうでもない。
「もう少しよ。」
振り返ってそう言うが、歩く足は止めない。
この言葉を聴いたのは何回目か…。
彼女がそう何度か聞くたび、リアは「もう少し」と応えた。
「もう少しって…んな無理な。」
ぜぇぜぇ言う息のせいで、言葉が途切れ途切れになる
話をするのだって、面倒くさいし疲れてきた。
うんだってマジで無理だと思うよ?
あたしの場合3分走れば3分活動停止。ウル○ラマンかっつーの。
革靴なんか履いてくるんじゃなかった。
足を少しだけ止め、ため息をつく。
東に見える太陽の光が茜の顔を照らした。
「あっちょっ!リア待って!?」
遅れを取り戻すため、坂道を走ってリアを追いかける。
やっと追いついたと思った時、リアがこちらを向いた。
一旦手を膝についてしゃがみこむ体制になると、茜は顔を上げる。
「着いたわよ。」
坂の上にある2階建ての小さな家をリアは指差す。
Welcome。小さな家にかけられた看板には、そう書かれていた。
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