ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: セカイ ( No.12 )
日時: 2009/11/26 18:10
名前: 瑠花 (ID: pzcqBRyu)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12501

その家の前には、草の中を掻き分けて作ったような道があった。
リアが歩き出したので、あたしもちょこちょこ付いて行く。
扉をリアが手でコンコンと叩くと、ぎぎぃ、と音を立てて扉が開いた。


その瞬間、中にいたらしい人からたくさんの視線が茜とリアに集まった。
部屋はホール場になっており、テーブルが少しと、荷物みたいなのがある。

んっ…と何コレ?
ガタイの良さそうな人がちらちらと…
あと視線が痛いよ。特に右肩らへんが。
疲れて歩いて来たって言うのに、何か損した気がするわ。

実際、茜は損もしていないし右肩が痛い訳でもない。
ただこういう気まずいような状態が大嫌いであるという茜には、
海老で鯛を釣るより鯛でミジンコを釣ったような気分だ。



「リアさーん!」
ぱっと見、7〜8歳くらいの小さな女の子が、にこにこ笑いながらリアの元へと駆けて来た。
茜の緊張感も解けたのか、僅かに口元が緩む。
ああ天使よ…。このなんとも言い難い状態を無くしてくれて有り難う!
うんまったく君は天使だよ!お姉さん感動だよ!

駆けていく女の子に、リアは微笑んでからすっとしゃがむ。

「レイ。」

リアが手をその子の頭の上に乗せて、優しく撫でた。
レイと言うらしい女の子も、それといっしょに笑った。









「…………あの。」


「?」

「なんというか…」

別にこの状態が嫌とかそうゆう訳でもないが、
色々とタイミングが足りないと思うよ。
リアが感動の再開的な事してたから微笑ましい空気が流れたけど、その後ってオチはどうすんのよ?!

そんな事を思っていると、ふいにリアがあたしに手を向けた。

「この子は茜。第12人目の協力者よ。」

「12人?」

リアに聞き返す。この部屋には6人程度しか居なかったはずだ。
12人も居るのね…。多いか少ないか分かんないけど。

「今は居ないけど、まぁその内、ね。」

さっきからドア前で立ちっ放しだった茜達は、家の中のテーブル席に一旦着いた。