ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 裏切り戦争 ( No.13 )
日時: 2009/11/22 00:09
名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)

4人はそれぞれ違う所からスタートし、見知らぬ世界へと向かっていったのだ。

—————第十三話『迷路』—————

気がつくとそこには4人はバラバラになって、そこからゲームがスタートしたのであった。

‐‐‐‐‐王門の様子‐‐‐‐‐

「こ…ここは…?」

辺りは賑やかな子供の声。どこかで聞いたことのある声だ。そう、この声は、昔の仲間たち、(元紀伊軍)の声なのだ。

「え…み…皆…???」

王門は立ち止まって、驚いたような顔をした。

王門は不思議で不思議でたまらなかったのだ。

何故、昔の仲間達がこうやって仲良く遊んでいるのだろうか?
何故、皆がこんなに楽しそうなのか?
何故、皆がこんな所にいるのか?

そして…

ここは一体どこなのだろうか…?

皆をよく見てみると、紀伊軍の鉢巻きをしている。

「何っで…黄色の鉢巻きをしているんだ…?皆…敵同士なんだぞ…。なのに、あんなに笑顔で…。」

王門は、遠くにいる皆を見ながら、独り言を言った。

すると…

親方が、王門のほうに近づいてきた。
そして、

「王門も、一緒に遊ぶべ!!(一緒に遊ぼうよ!)おらだ、20人仲間だべや!(私たち、20人仲間でしょ!)
今、大縄しったっけがら、混ざってやッペ!(今、大縄してたから、混ざってやろう!)」

と言ったのだ。

「…仲間…?20…人…?」

王門は小さな声でそう言ったが、親方には聞こえていなかったようだ。

親方は、王門の手を引っ張り、
「皆ー!王門ばつれで来たぞ—!!!」
と、大声で叫んだ。

すると皆は嬉しそうに笑ってくれた。

「王門、やっと来たが!!!」
「待ってだっけぞ!」
「やっぱり、王門いないと、おもしゃぐねぇもんな!(やっぱり、王門いないと、面白くないもんな!)」

皆のその言葉を聞いて、王門はとても嬉しくなった。


‐‐‐‐‐その頃…‐‐‐‐‐

「あ゛−…もう!!!此処何処だし!!!」

そのころ乃ノ寺は、長い道のりを歩んでいた。
「もう、5キロは、歩いただろうに…はぁ…」
溜息をつきながら、前へ前へと進んでいった。

すると…

「此処何処やねん!!!」

と、関西弁が聞こえた。

乃ノ寺は焦った。それは、此処が関西の方だと思ったからである。そうなると、他の3人が、関西以外のところにいるに違いないと思ったからである。

恐る恐る声の聞こえる方に向かって、
「…あのぉ〜…此処って…関西の方…ですか…?」
と聞いた。

「え…マジで?此処、関西なん?」
と、その相手は答えた。

乃ノ寺は、その声の主を探そうと、声の聞こえる、大きな岩の後ろに行ってみると…

「…え゛…!?」

「…あ゛…!?」

何と、曝露が岩の後ろにいたのだ。
そう、声の主は、曝露だったのである。

「え!?曝露!?」

乃ノ寺は少し驚いたが、嬉しそうにも見えた。

「やったぁ〜!!!やったぁ〜!!!」

乃ノ寺は、ジャンプしながら、喜び始めた。

「何々…?俺に会えてそんなに嬉しいのか〜」
曝露は照れたように言ったが、
「んーんっ!此処が関西じゃなくてよかったぁ!」
乃ノ寺は、笑いながら言った。

「って、あんた何時の間に関西弁…」
乃ノ寺はそう言うと、
「関西弁、めっちゃ最高やんけっ!!!」
と言った。

乃ノ寺は、少し引いたが、こんな事している時間が無駄だと思い、2人は一緒に、王門と響羅を探しに向かった。

‐‐‐‐‐そのころ、響羅…‐‐‐‐‐

「うわぁぁぁーーーん!!!此処、何処ぉぉぉ〜〜〜!」
響羅は泣きべそをかきながら、ゆっくりと歩いていたところだった。

「誰か…誰か…助けてよぉぉぉー!」

叫びながら歩いていたら、賑やかな子どもたちの声が聞こえた。

「え…もしかして誰かいるの?」

響羅は子供たちの方を見てみると、そこには、王門と沢山の子供がいた。

「え…!?王門君!?…でも…あの人達は…誰…?」

響羅は王門の方へ行くのが恥ずかしかったのもあるが、一緒にいた、子供たちの関係も気になっていたので、少し観察していた。

「はぁ…遠くで見ても、王門君はかっこいいなぁ〜」

響羅はうっとりしながら、のん気に王門を見た。

すると…

「やったぁぁぁっ!!!大縄、100回いったー!!!さすが、紀伊軍パワーだな!!!」

親方はそう言った。

この言葉に、王門と響羅は反応した。

「…え…。紀伊…軍…?」


                    つづく


—————————第十三話終わり————————