ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 裏切り戦争 ( No.14 )
- 日時: 2009/11/22 00:10
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
不思議な世界へと行った4人。でも、そこには何故か元紀伊軍の人が集まって仲良く遊んでいて…?
—————第十四話『過去の仲間たち』—————
「…今…紀伊軍…って言った…よな…?」
王門は、親方たちに言った。
「うん。紀伊軍って言った。おらだ、紀伊軍だべ!」
親方は、また笑いながら言った。
王門はまた少し驚いた。
響羅も驚いた。
「…何か…王門君たちの様子がおかしい…しかも、何で王門君まで黄色の鉢巻きしてるの…?」
響羅は、冷汗をかきながらそう思った。
「王門君、頭大丈夫???皆、紀伊軍の仲間だべ!!」
何と、乃ノ寺が言った。
この乃ノ寺も、黄色い鉢巻きをしていた。
「え…乃ノ寺!?なんで、乃ノ寺まで、黄色い鉢巻きしてるの!?それに、紀伊軍の仲間って何!?しかも、乃ノ寺って、王門君の事君付けしてなかったでしょ!?」
響羅は興奮し始めた。
すると…
「あ!響羅!!!」
響羅を呼ぶ声が、響羅の後ろから聞こえた。
振り返ってみると、乃ノ寺と曝露が後ろにいた。
「え!?乃ノ寺、何時の間に!?さっきまで、王門君や他の人とと大縄してたよね?」
響羅は必死に訴えた。
「大縄…?うち、大縄なんてしてないし、王門とも会ってないよ?」
と言った。
「だって、ほら!…」
響羅は王門たちを指差した。
そこには、楽しそうに大縄して遊ぶ、紀伊軍の姿があった。もちろん、さっきの乃ノ寺もいた。
「あれまぁ!うちがいる〜!!!」
乃ノ寺は、少し笑いながら言った。
今まで黙ってた曝露が、いきなり真剣になり始めた。
「おい。少し黙ってろ。王門たちが何言ってるのか聞こえねぇじゃんか!」
その言葉で、乃ノ寺と響羅は黙った。
曝露の言う通り静かにして、王門たちの会話を聞いてみると…
「そ〜だよな!!!俺ら、紀伊軍の仲間だもんな!!!俺、変な夢を見てたぜ!!!」
王門は笑いながら言った。
「変な夢って何だず〜!!!」
宗氏と小次郎は同時に聞いてきた。
「んとな、皆の絆が壊れて、皆敵同士になうって言う夢さ…。本当に夢でよかったな…!」
王門は嬉しそうに言った。
それを聞いた蒼知は、
「夢だったって知った時、どう思った?」
と聞いてきた。
「そりゃもう、嬉しかったな!そして、安心した!夢が長かったからなぁ〜!!!」
と言った。
それを聞いた、乃ノ寺、響羅、曝露は、少し気まずくなってきた。
すると、乃ノ寺はいきなり言いだした。
「これって…夢なの?」
と。
曝露は、
「夢なわけねぇだろ!!!俺らはもう、新しい仲間がいるんだ!!!」
と言った。
「でも、今王門君にそれを言ったら、可愛そうだよ」
響羅は、心配そうに言った。
「…っ…。でも、言うしかないよ。何時までも過去にこだわってちゃ、新しい仲間とも上手くやっていけないじゃん…。」
乃ノ寺はそう言って、地面に座り込んだ。
「そうだな。行くぞ!!!」
曝露は立ち上がり、紀伊軍のところへ歩き出した。
「おいっ!!!王門!!!元の世界に戻るぞ!!!」
曝露は、王門と紀伊軍にそう叫んだ。
「…は…???ど…どう言うこと…だ…?」
「だから、此処にいる紀伊軍は、幻なんだよ!!!」
曝露は、必死に言った。王門に本当の事を気付いてほしかったからである。
「は…はは…こいつ…何変なこと言ってるんだろうな…な?皆?」
王門は、紀伊軍の方に振りかえって聞くと、
皆は黙り込んでしまった。
「…皆…?」
王門の手はかなり震えていた。
「ごめん…ごめんな…王門。」
宗氏は、謝り始めた。
それに続けて皆も謝ってきたのだ。
「嘘だろ…嘘って…言ってよ…。」
王門はそう言って、走って何処かへ行ってしまった。
曝露は追いかけて行った。
「王門…戻ろうぜ…。」
曝露は、曝露らしくなく言った。
王門は、何も言わず、曝露の後ろをついて行った。
そして、曝露、乃ノ寺、王門、響羅は、手をつなぎ、
なんとなく目を閉じた。
すると、頭の中がいきなり軽くなり、眠気が襲ってきた。4人はいつのまにか寝てしまったのだ。
気が付くと、そこは自分たちの部屋だった。
「ん…ん…あっ!!!」
乃ノ寺が目を覚ました時には、すでに響羅と曝露は起きていた。
「あ!やっと起きた!!!結果届いたんだよ!!!」
響羅の様子どうり、結果は、黄軍に勝ったのだ。
たったの1秒の差でね。
「まぁ、今回は俺が大活躍したからなぁ!俺のおかげだな!!!」
曝露は威張った。
それに対して乃ノ寺は、
「うん!そうだね!かっこよかったよ!」
と言った。
いつもの場合は、「そんなに活躍してないじゃん!」や、「皆のおかげだよ!」と、言うはずなのにな。
曝露は乃ノ寺の言葉を聞いて、顔を赤くしていた。
「それにしても…王門君…可愛そう…。」
響羅は、寝ている王門の横に座り、心配そうにしていた。
「王門…泣いてたもんね…。心の傷はきっと深かったと思う…。元に回復できるかな…。」
乃ノ寺も後に続けて言った。
「そっとしておこうぜ…。」
曝露も心配した。
王門は目を覚ますのか…!?そして、心の傷は治せるのか…!?一体どうなる!?
つづく
————————第十四話終わり————————