ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 裏切り戦争 ( No.16 )
- 日時: 2009/11/22 00:10
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
何時も読書ばかりしている女子。何時も一人ぼっちの女子。男子は悪口を言ったりしている。しかし、それを止めようとする人は誰もいなかったのだ。
—————第十六話『傷つく心』—————
「おいっ!!!読書ばかりしてんじゃねぇよ!!!ヲタク」
男子がそういう。
何故か近頃、こういう悪口が多いのだ。どうしてだろうか。
乃ノ寺は疑問に思い三亜美と同じ軍の夏菜に聞いてみると、
「あぁ、三亜美さぁ、自分から友達作るの嫌なんだってさ。前にね、こんな事があったの…—」
夏菜はそう言い語り始めた。
「これは、新しい仲間と出会った時の話…—」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「ねぇ〜三亜美ちゃん、友達作りに行こうよ!せっかく新しい軍になったからさ!」
夏菜は明るく言った。
しかし三亜美は、
「え〜ヤダ〜。夏菜ちゃん、一人で行ってきてよ。」
と言った。
夏菜は、何故友達を作りだそうとしないのか聞いてみると、
「だって、めんどくさいから。」
三亜美はそう言ったのだ。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「———っていう事なんだぁ。」
夏菜は簡単に説明してくれた。
三亜美は、友達を作るのをめんどくさがっている。
普通の人はそんなこと思わないはずだが…この子は過去に何かあったのではないかと、乃ノ寺は思った。
「三亜美、よく暴れだしたり、自殺しようとしたりしたんだよ…。」
夏菜はまた教えてくれた。
…自殺…
どうりで不思議な人だと思ったら、そんな事しようとした人だったんだな。
三亜美の他に、茉莉の事も教えててくれた。
茉莉は元々人と話すのが苦手らしい。
そんな話をしている時———
「親方———!!!青軍で、龍ノ太郎がいじめられてるんだって!!!」
姫佐が親方に叫ぶ声が聞こえた。
それを聞いた乃ノ寺は慌てて姫佐のところに行った。
「え!?乃ノ寺!?」
夏菜はそう言い何も知らずに、乃ノ寺について行った。
「姫佐!!親方!!龍ノ太郎がいじめられてるって…本当か!?」
乃ノ寺は二人の会話に突っ込んできた。
「あ、うん。青軍の簾中からね。」
「誰も助けようとしないのか?」
「そんなのよく分かんないし。」
「んじゃ、うちらで助けようよ!!!」
「だって、俺たち、何も関係ないじゃん。助けなくていいでしょ…。敵なんだからさ…。」
乃ノ寺と姫佐はそんな会話をした。
乃ノ寺は姫佐の言った、‘敵,という言葉が少し傷ついた。
「そうか…。うちらと…敵だもんね…。」
乃ノ寺はふらつきながら戻って行った。
「乃ノ寺…?」
夏菜も乃ノ寺について行った。
その時、乃ノ寺は思った。
何故、敵だからといって助けようとしないのか。
何故、仲間なのに助けないのか。
仲間、敵、こういう時は関係あるのか………。
少し寂しい感じがした。
こうして、いじめられている人の心はもちろん傷つく。
でも、いじめている人の方の心も傷ついているのではないか?
何か寂しい理由で、いじめているのではないのか…?
「ねぇ…お願いだから…仲良くしてよ…」
つづく
—————————第十六話終わり—————————