ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 裏切り戦争 ( No.21 )
日時: 2009/11/22 00:12
名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)

海の薬草は結局見つける事が出来なかった…さて、山の薬草は見つける事が出来るのだろうか…?

———第二十一話『それぞれの冒険-山編』———

海1海2のグループが図鑑で調べている時、山1山2グループにはこんな事が…

「いやぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!!!」
と大声を上げるン渚。
渚は蛇に驚いているようだ。

「ま、ま、茉莉っ!!!前行ってよ!」
渚は茉莉の背中を押すが、茉莉はなかなか前へ進もうとしない。

これは、山1のグループだ。

山のグループは船から降りた後、山1と山2に分かれて探しているのだ。

茉莉はウジウジして、一言も語らない。
その様子を見た渚は、

「はぁ…茉莉を前にして歩くと、なかなか前に進まないのね。っしょうがない、あたしが前を歩く。」
そう言い、細い道を二人は上って行った。

‐‐‐‐‐その頃、山2のグループは…‐‐‐‐‐

里井架と涼二は順調に進んでいた。
前へ前へというより、上へ上へと上っている。

「順調だね。涼ちゃん。(涼二の愛称)」

里井架は肩に下げていたタオルで汗を拭きながら言った。
今は冬に近い秋だが、動けばそりゃもう暑くなる。

「うん。この山は、統計100メートルの山だから、あともう少し登れば着くと思うよ。」
涼二は言った。

‐‐‐‐‐その頃、山1グループ‐‐‐‐‐

「きゃぁぁぁーーー!!!」
渚は、また大声をあげていた。
そして、渚とともに茉莉は走って行く…。

何があったのかというと、渚が普通に前を歩いていたら、横の草むらから、

《カサカサカサ………》

と、何かが動く音がしたそうだ。

それに驚き、今、夢中に何処かへ走っているのだ。

走るのが遅い茉莉も、これに驚き、ものすごいスピードで渚の後ろについてきて走った。

気が付いたら、いつの間にか頂上に着いていた。

山1が付いた頃、同時に山2の方も着いた。

「お!!!渚やん!!!」
元気よく里井架は言う。
「…あ…里井架ぁ………。」
クタクタになりがちな渚は言う。

「いよいよ此処が…頂上かぁ。」
涼二はそう言うと、図鑑と虫眼鏡を持って探し始めたのだった。

「山の薬草は、綺麗な黄緑色で、鳥のような形をしているらしいよ〜!!!」
涼二は3人に言うと、
「は〜い!!!」
渚と里井架は手を挙げていった。

しばらく無言で探していると…

「あ…綺麗な…鳥…」

と小さな声で、茉莉は言いだしたのだ。

それに反応した里井架は、

「え!?山の薬草見つかった!?マジか!?」
と言いながら茉莉の方に行ってみた。

そこにあったのは、薬草ではなく、ただの鳥だった。

「ったく!!何だよ。ただの鳥じゃん!」
里井架は、少しキレ気味だったが、笑いながら言った。

すると、涼二は虫眼鏡で、茉莉のところにある鳥を観察し始めた。

「あ!この鳥、怪我してるよ。足が出血してる。消毒しないと。」
そう言い、消毒をして小さな包帯を巻いてあげた。

「涼ちゃーん。鳥、大丈夫?」
心配そうに渚は言うと、
「う〜ん…。羽も怪我しているようだから…しばらく飛べないな〜。よしっ!怪我が治るまで、僕たちで看病しよう!!!」
と涼二は言った。

鞄からパンを出し、鳥の口に優しく入れてあげた。
すると…

「ピーチク…ピーピーチク…」

鳥は泣き始め、そしてヨレヨレになりながら飛び始めた。

「あ!!!いきなり飛んじゃ駄目…」

鳥は何処かへ行ってしまった。

「あーぁ。あの鳥、大丈夫だったかな。」
渚と里井架は顔を見合わせて言った。

「あの消毒は、そう早く効かないんだ…。今頃どこかで落ちてしまっているだろうに…。」
涼二は少し悲しそうに言った。


すると…その時、

「…あ…鳥…」
茉莉が指差した先にはあの鳥がヨレヨレになりながら
戻ってきたのだ。
そして、涼二の掌の上で止まった。

「ん?この鳥…何か口に、はさんでいる…。」
よく見てみると、それは、山の薬草だった。

綺麗な黄緑色で、鳥の形をしている。

この鳥は、涼二たちにお礼として持って来てくれたのだ。きっと。

涼二の掌にいる鳥は、薬草を渡した後、再び飛びだって行ってしまった。
その時、涼二たちには、鳥がほほ笑んだようにも見えた。

飛び立つ鳥を見ながら、4人は、

「ありがとう!!!」

と叫んだ。


————————第二十一話終わり————————