ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 裏切り戦争 ( No.23 )
- 日時: 2009/11/22 23:24
- 名前: 若月星輝 (ID: U0hMzT3c)
山の薬草の次は、街の薬草。残りはあと一つ!!!
海の薬草は、手に入るのか…?
————第二十三話『寒い夜、14人の仲間』————
14人の戦いは、6日間続いた。しかし、残りの一つ、
海の薬草がなかなか見つからない。
たった4人の力じゃ探せないという事で、山&街のグループの人からも手伝ってもらう事になった。
-----6日目の夜-----
今日はとても寒かった。風が強いし、雨も降りだした。
寝るときは、船の中で寝ているのだ。
この船は結構頑丈でとても広い。屋根もしっかり付いている。
船は、交換しながら運転する。30分に1回交換ね。
今は丁度、涼二が運転しているところだ。
「少し…雨が強くなってきたようだね。」
涼二は隣に座っている親方に言った。
「うん、この寒さじゃ、今晩は雪が降りそうだ。」
親方は、腕時計で時間を確認しながら言った。
「もうすぐ11時か。次の運転当番って、誰?」
「次はね、紫苑ちゃんと、百合ちゃんと、香奈ちゃんだよ。僕もそろそろ交換かぁ〜。悪いけど、3人を呼んで来てくれない?」
涼二は親方に頼むと、親方は、OKサインをして部屋へと向かっていった。
親方は、皆の寝ている部屋を、静かにノックしてドアを開けた。そのとたん、いきなり枕が飛んできて顔に当たった。
「いってぇぇぇ———っ!!!」
親方は叫んだ。
「あ〜あ〜!!!親方ーごめーん。俺の投げた枕が〜」
雄介は、髪の毛を触りながら言った。
「何してたんだ!こんな夜遅くに!」
親方は、おでこを押さえながら言った。
「見れば分かるだろ〜?枕投げだよ!旅行定番の!」
雄介は、それはもう偉そうに言った。
親方は、手に汗を握り締めながら、
「これは、旅行ではな———い!!!さっさと電気を消して寝る!いいか!!!それと、次の運転当番は交代だから運転室に来るように!!!」
と言った。
「…はーい」
少しいじけて返事をした。
「ちぇーっ。つまんねぇー。もう寝るのかー?」
雄介は皆に言った。
「まだねねぇーよ!!!寝れんしー」
曝露は言った。
そのとき
《ガタガタガタ………ドドォ〜ン》
ものすごい音がした。
「きゃぁっ!な…何!?今の音!?」
今まで寝ていた、渚が言った。
この音で起きたようだ。
「ちょっと、外見てくるな」
そう言った坂野介は、外に出るためにドアを開けた。
そのとたん、外からは大量の吹雪が入ってきた。
「う…うあぁぁっ」
さっきの音は、吹雪のせいだったようだ。
坂野介は、急いでドアを閉めた。
「うわっ、あっぶねぇ…」
その瞬間、部屋中が寒い空気へと変わった。
「…うぅぅ…何っか…話す気になんなくなってきた」
いきなり曝露の様子がおかしくなった。
いつもはあんなに五月蠅い男子が、静かになってきたのだ。
「さ…寒ぃぃぃ〜でも、運転している人の方が、もっと寒いよね…?」
里井架はそういうと、モーフを持って、外へ駆けつけた。
後に続いて、皆も外へ行った。
そう、運転している仲間の元へ行ったのだ。
「あ…あれ?皆まだ起きてたの?」
香奈が皆に言った。
渚と里井架は突然、香奈や百合や紫苑に抱きついた。
「ほら!こうすると温かいでしょ?だから、皆一緒にいようって思ってね」
里井架は笑いながら言った。
「そうだね。うちら、仲間だもん」
吹雪の寒さなんて、皆は忘れてしまっていた。
何故かって?それは、仲間の温かさのせいだね。
————————第二十三話終わり————————