ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 学校ソードダンス ( No.2 )
日時: 2009/11/22 17:01
名前: ロー (ID: cRxReSbI)

 プロローグ


「えっと……ほ、放課後、たた、た、体育館に来てください!」

 *  *

「っと、“モテないヤツ”が変な女子たちに言われるいるそうデスガ、何か知ってるヤツはいマスカ?」
 男子の情報交換タイム(昼休み)、一人の机を囲っていろんな議題が飛び交う。
 が、その空気を読んでかいないのか、前髪の長い少年が正論を述べる。
「とりあえず……」
 軽く咳払いをして目を細める。
「おれの机に集まって集会みたいのやるのやめろ!」
 静まり返った時間こそ一瞬だけだが、机を囲っていた男子全員が「そうだよな!?」という顔をする。
 ——ば、馬鹿だろ。こいつら。
「けッ、せっかく夜原が寂しそうだからしてやってんのによ! けッ」
 そんな考えを察してか、唯我独尊という四字熟語が当てはまりそうな少年がそう言い捨てる。
 一方、夜原と呼ばれた少年は両手で頭を抱え、額に血管痕を出しながら血走った瞳で周りを見つめる。
 次の瞬間、別人とも思わせる柔和な笑みを浮かべ、
「おれに気遣いなんかすんなよ、そんなに優しい心を持ち合わせてるなら光島とか山西とか、そういう独りぼっちのヤツらを励ましてやれよ、な?」
 と、優男のように前向きな発言をする。

 ……その手に消しゴムくらいの大きさになった「元・文庫本」を握りながら。