ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 青空兎【ソラウサギ】 ( No.16 )
日時: 2010/03/28 20:42
名前: 狂乱 (ID: M2SneLVI)

【3】
放課後。私は塔の階段を上った。未来ちゃんに会うためだ。彼女なら私の謎を説明してくれるはず。

結局。カリンちゃんは姿を見せず、小淵くんは授業以外は教室にいない。

"トントン"「失礼します」私は7階の理事長特別室のドアをたたいた。

"ガチャ"「はいどうぞ……!!」出迎えてくれたのは小淵くんだった。私もビックリ!

「小淵くん!?……未来ちゃんいる?」

「なんだ。おま…。天吹さん?未来様の友達だったんすね。どうぞ」

私は中に入った。身長150㎝程で金髪ツインテールの未来ちゃんがソファに座り加南去ちゃんにお茶をいれてもらっていた。

高3なのに150㎝とは大丈夫なのだろうか。

「あら。魔女じゃない。おひさ〜。」未来ちゃんが言う

『お久しぶりです。魔女。』加南去ちゃんが—言っているわけではない。緑色の手帳に書いてあるのだ。

「こんにちは。教えてほしいことがあるんですけど…」私は小淵くんの方を見る。

「晟?ちょっと席はずして。」未来ちゃんは察してくれた。勘は鋭い。
小淵くんは少々ムッとしたようだが部屋を出て行った。

「えと。例の事件での死亡者と私の周りの状況を説明してくれませんか?」

「はいはい。カッコ—これは加南去ちゃんのあだ名。 そこからファイルとって…そうそれそれ…ありがとう。」

未来ちゃんはペラペラと分厚いファイルをめくる。そんなに死亡者がいるのだろうか。

「えーと。あなたの周辺では、琉姫、麻ノ葉、希八。これだけ。よかったねぇ友達すくなくて。」

「?ちょっと待って。“黒百合の彼”は?勿忘草の」
私はあせって言った。2人して顔をしかめる。

「だれ?そんな生徒把握してないんだけど。だいたい黒百合はつい最近入学した“彼女”しかいないけど。」私が間違っているのだろうか。しっかり記憶に残っているのに…。

未来ちゃんは話しを続ける。

「残っているのは、花鈴と晟。私とカッコだけ。私とカッコはかわらずキヨ—これは希八ちゃんのあだ名。
の死を悲しみながらもふつうに過ごしてる。晟は従姉であるキヨが死んだせいかわかんないけど記憶喪失。あなたのこともカリンのこともあの冬のこともその前も忘れてる。今はキヨのかわりに私のことを手伝ってくれてるの。カリンは心空っぽ状態。今日は温室でぼぉーとしてたみたい。帰っちゃったけど。」

「そうですか。ありがとうございました。」

私はボケッとしながらそういうと特別室を後にした。謎は解けたが“彼”が消えていることについて謎ができてしまった。

「あっ、ごめんなさいね」人にぶつかったが気にしなっかった。

“彼は存在しなかったのだろうか?”

疑問が頭をまわっていた。