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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 青空兎【ソラウサギ】 ( No.33 )
- 日時: 2010/03/28 20:53
- 名前: 狂乱 (ID: M2SneLVI)
【7】
「ちょっと待て。おちつけ」
思わず立ち上がっていた私に冷静に座るようカリンちゃんはうながす。
ひとつ深呼吸。
「おまえなぁ。死ぬ気か?麻の葉は“あの世”にいるんだぞ?」
「うん。わかってるよ?だってさっきカリンちゃんいってたでしょ?“向かっていけばいい”って」
「まぁ、そうだが…。どうやって行くんだ?」
…………………———沈黙。
「考えてなかった。」テヘっと私が笑う。
「だろうと思った。」カリンちゃんがため息をつく。
「でも、行くことはできるよね?」
「私達のような変わった“才能”持ったヤツがいんだから行ける方法はあるだろうな」
カリンちゃんはニヤッと笑う
「死ねばいけるぞ?」
「無理。だいたい“あっち”のどこであえるかも特定しないと…」私は即答。
「なるほど…場所とかあんのかあっちに?」
そう考えてみれば私達は死んだあとなんか全然知らない。
考えることもなかった。
死んだあと—————そこは未知の領域。
「まぁ。いいさ。もしかしたらそういう“才能”を持ったヤツがいるかもしれない。」
「そうだね。午後の授業、出席しない?」
「ここにいてもしょうがないしな。」
私とカリンちゃんは紅茶を飲みほし、かたづける。
「放課後。未来ちゃんに“あっちとこっちをわたれる才能”を持ってる人がいないかしらべてもらおうね」
昇降口で上履きにかえながら私は話す。
「…なぁ、×××。」「ん?」
「彼を捜すうえで死ぬ方法は選ぶなよ?絶対に。」
「うん。カリンちゃんひとり。あっ、小淵くんもいたね……。ひとりぼっちにしないから。約束するっ!」
私はにっこり笑っていった。カリンちゃんも笑ってくれた。
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