ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 青空兎【ソラウサギ】辛いコメお待ちしてます… ( No.47 )
- 日時: 2010/03/29 20:37
- 名前: 狂乱 (ID: M2SneLVI)
【13】
今日は春休み明けテストでかなりの体力を消耗してしまった。だが、そのぶん放課後は長い。
部活へといさんでいく生徒のなか、私達3人はリンクスという黒兎をみつけるべく校内を歩き回る。
「3人同じとこ捜しても意味ないッス!わかれて捜すッス!!」
小淵くんにしては冴えている…。
「そうだよね。私は新校舎、カリンちゃんは旧校舎。小淵くんは…」
「俺は鈴鳴りの塔ッス。未来様の側近だから変なとこはいってもなかなか怒られない。扉もたくさんあるし……盗賊の“才能”の見せ場ッス!!」
小淵くんの“才能”は声帯模写のほか鍵開け。瞬速で走ることもできる便利な“才能”だ。
…だからパシりにされることが多いのかな?
私の“才能”は予告しかできないし出来損ないなのかもしれない。
せめてそれを止めることができればよかったのに。
……こんなこと考えてる暇はない。はやくリンクスを捜さなきゃ!
「リンクス?おーい」
理科室から教室から、いすの下から戸棚の中までくまなく捜す。
それでも1つの考えが頭を離れない…。
“役立たず”
予告しかできない“才能”なのにそれさえしなかった。
みんなだって最後に話したいことがあったはずなのに…。
始まる前だってたくさん時間はあった。なのにまわりの人の掌にある“印”に気をとられ、これからのことにおびえることしかしなかった…。
役立たず…。私はいなくてもいても変わらなかった。
今そう確信できる。きっと“あっち”のみんなも恨んでいる。
そう思ったら涙がでてきた。もう泣かないってあの日キミに誓ったのに…。
「おい、×××。」カリンちゃんと小淵くんが突然やってきた。私は涙を拭い、にっこり笑う
“きっとこの2人も必要ないと思ってる…。”
頭で考えが響く。
「キュー」リンクスの声がした。鈴の音もする
「リンクス!?リンクスを見つけたの?」
「あぁ。晟が…」カリンちゃんが悲しい顔をする
小淵くんが小さな箱をもっていた悲しい顔をしている
「鈴をつけて箱にいれるのがたいへんだったんだ…」
私がそっと箱のふたを開ける………———。
私は驚いた。
「キュー?」
確かにリンクスの声が箱の中からする…。
しかし、箱の中は空っぽだった。