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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Strange Story -奇妙なモノガタリ- ( No.3 )
- 日時: 2009/11/29 15:57
- 名前: 夜風 ◆2eHvEVJvT6 (ID: ikPsPKC4)
01 /火の玉
修学旅行が終わり、また平凡な毎日が送れると思っていた私。
ケータイにはしっかりと例の〝あれ〟が付いていた。
不気味なくらい、黒く艶やかだった。
『んー、でねでね』
私、白石優希菜は親友の小毬と電話をしていた。
時計の針はam1時をさしている。
これこそ夜更かしって奴。
『それで、ピンクのリボンが可愛いの!』
「へえー・・・優希菜もほしい」
『いいよ! 小毬買ってくるよストラップ』
私はケータイを見た。
そこにはもう〝あれ〟が付いていた。
「ごめん小毬、筆箱に付けていいかな?」
『もちろん、小毬も筆箱に付けるよ?!』
変な発音だった。
きっとケータイに付けたかったのだろう。
私はふふっと笑い、窓の外を見た。
暗い闇が広がっているようだ。
そろそろカーテンを閉めようと思っていた。
その時、
ふわり。
何かが宙を浮いた。
私は目を疑った。
だって・・・・・・浮いていたのは————、
火の玉だったから。
薄い青色に染まって、あたりをぼわっと照らしている。
左右にゆらり、ゆらりと揺れている。
気持ち悪さと怖さが入り混じった気持ちだった。
「い、イヤッ!!!」
悲鳴を上げて、壁に寄り掛かった。
な、何あれ。
火の玉って・・・、あり?
この世に火の玉って・・・、み、見間違えだよきっと。
『きな・・・優希菜! ど、どうしたの?』
「ううん、なんでもない」
『そう』
心配をかけたくなかった。
私は明日ねと言い、電話を切った。
気持ちが落ち着き、火の玉を改めて見ることにした。
怖さを我慢して、窓の外をのぞいた。
が、何もなかった。
・・・・・・よかった。
見間違えだったんだ。
私は、安心して眠りについた。
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