ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.11 )
- 日時: 2009/12/01 20:19
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 舞…舞…起きてって…。」
十一月十一日 午前七時十分
私は 美希の声で目が覚めた。
美希はすでに起きていた様子で、服を着て髪の毛をブラシでとかしていた。
「 おはよー。あと二十分後に此処出るから。」
「 は ? 」
「 ほら、なるべく早めに着いたほうがいいでしょ。」
「 あと二十分って…。早く起こしてよぅ。」
「 起こしてあげただけでも有り難く思え。」
それもそうだが二十分って…。
いそいで舞はシャワーを浴びて、制服に着替え鞄に荷物を詰め込んだ。
「 よしっ ! 行こっか ? 」
「待って待って…今、髪の毛しばりおわるから…。」
急いでしばって、ピンを×の形でとめた。
「 鞄に入れ忘れたもの、ないよね ? 」
「 うん。大丈夫。…じゃあ行こう。」
そういって、自分達の泊まった部屋を後にした。
金額を聞いて決めたホテルだったため、とりあえず泊まった分は払うことができた。
しかし、所持金はずいぶん減っている。
「 私、こんなに使った覚えないけどなぁ〜。」
「 あんた、無駄にお菓子とか買ったじゃん。」
「 無駄じゃないよ ! このお菓子は非常食になるんだからっ。」
「 はいはい…〝非常食〟ね…。」
美希はそういって受け流した。
徒歩で空港までとは 少し遠い距離だったが二人で話しているから疲れは感じなかった。
この五日間。
家に戻ることにならなくてよかったと思う。
中学生二人が、ホテルに泊まっている時点で補導されかねない。
はっきり言って、捜索届けが出されていると思う。
ただし、自分達のもともといた場所からかなり遠い此処まで来たのだ。
そう簡単には探せまい。
それになにより、舞の場合は制服を着ているので見つかりづらいだろう。
極力、外出は控えたのもよかったかもしれない。
つくづく、子供二人でよくやったと思った。
二人は話しているうちに、空港についた。
二人とも、この先、本当にどうなるのかわからなかった。