ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.15 )
- 日時: 2009/12/01 20:22
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 恵梨…勝手に言うなよ…。」
クスっと恵梨はかわいらしく笑った。
なんなの…
なんなのぉーっ ! ?
コイツが…あの有名な。
信じられない…ていうか、以外。
ツンツンした黒髪で、妹同様の肌の白さ。
が、何故か制服という格好で膝の上にはミニノートパソコンが乗っている。
「 ステハンってあの掲示板で…。」美希が考え込むようにしていった。
「 え…ステハン ?」
確認するようにして、舞はもう一度聞いてみた。
「 あぁ…。お前がふぁいばー ?」
「 うん。そう…そう ! 私がふぁいばー !」
信じられない…オフ会みたいじゃん !
美希と舞は深く椅子に座った。
「 ステハン…URLクリックしたの ?」
「 冗談じゃない。俺があんな怪しいサイト踏み込むわけないだろ。」
「 えぇっ ! じゃあなんでここに…」
「 妹の付き添い。」
「 え ! ! ちょ、ちょっと ! アリ ? そういうの !」
「 特に書いてなかったし…別にいいだろ。」
軽っ
やっぱり相変わらずな感じがする…
「 すいません。ちょっと一人で来るのが怖くて…兄に頼んで来てもらったの。」
「 そりゃあそうだよね。いいよね〜頼れる人が来てくれて。」
美希にも兄がいるが、美希曰く頼りない らしい。
「 いえ、ちょっと無理やり連れて来たんです。私が。」と言って微笑みながら隣の兄を見た。
「 ステハン…引きこもりじゃないの ?」
「 はいはい、そうですが ? 何か ?」
「 いいの ? 外に出て ?」
「 いや、別に病気でもないんだから…まぁ…いいんだけどさ。人の集まっているところは勘弁だが。」
だから此処にいたのか。
納得。把握。
そこで、美希と恵梨が同時に同じことを話した。
『 この四人でグループ組んでみない ?』
「 それ……賛成 !」
笑顔で言っては見たものの、ただ単に、私はグループでの方が助け合えると思ったからで。
「 でしょ ? 恵梨ちゃんはどう思う ?」身を乗り出して恵梨にたずねる美希。
「 賛成ですよ。そのほうが、心強いですし…。いいよね、お兄ちゃん ?」
「 え ? ああ、いいと思うよ。」
「 決定 ! よろしくね !」美希は立ち上がって言った。
そういって全員で握手を交わした。
気がつくと、すでに外は薄暗くなってきた。
「 で、どうするよ ? これから。」
「 その前に、ステハン、本名教えてよ。」
「 は ?」
「 実名で呼んだほうが…いいと思って。」
「 …桐嶋祐樹。これが本名。」
「 祐樹、恵梨、舞、私。全員下の名前で呼び合おうね ! ネットでの名前じゃ、ゲーム中だとすぐに分かっちゃうし。」
『 なるほど。』美希以外の三人が、深くうなずいた。
「 夕方か…四時過ぎたら、中学生ってうろうろしてたら怪しいよな。」
「 でも、五日間ぐらい家はなれてたけど 大丈夫だったよね、舞。」
「 うん。補導されているのも見なかったし。」
「 〝今まで〟はな。これからは分からない。
もし深夜に出歩く奴らが多くなったら、補導されやすくなるだろ。」
確かに…。
警戒して補導員の人数が増えたら困るし。
補導員は大活躍だろうけど…
「 暗くならないうちに、ここ出ようよ ! もういなくていいんだろうし。」美希は外を見ながら不安げに言った。
十一月。暗くなるのはあっという間だった。