ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.20 )
日時: 2009/12/01 20:24
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 「 舞… ! どこに行ってたの ? ! 」

転げ落ちるようにして、私は階段を下り玄関に置いてある荷物を手に取った。


  うっ…重すぎる……

立ち止まるわけにはいかないと思い、そのまま玄関を飛び出した。

 「 待ちなさい ! ! 舞、舞 ! ! 戻ってきて ! 」


  ごめんなさい…

  ごめんなさい…

 「 舞、お願いもどるのよ ! …舞 ! 」


舞の母は全力で走る自分の娘を追いかけた。
しかし、どんどん差がつくだけだった。

 「 おねがい…おねがい ! 」

段々 母の声は聞こえなくなっていき、駅が見えたところで 舞はすぐさま美希がいるところへと駆けた。


  お母さん…ごめん

  でも、本当に今は、家になんていられないよ。

  ごめんなさい。

罪悪感が突き刺さるように感じた。

それとともに、足がガクガクと震えていたのに気がついた。

 「 舞…とりあえずこの辺で——」

 「 駄目……おかあさんが、…来るかも知れない…から…。」

とぎれとぎれに言うと、三人共今の舞の状況を理解したようで、再び駅へ入った。


  親不孝とは…このことだろうか… ?

舞の荷物を祐樹がひとつ持ち、美希はリュックを、恵梨は紙袋を持った。



財布を取り出して、適当な金額を選び 全員改札口を通る。



———そのときだった。


 「  待って ! 待ちなさい、舞 !」

 「…お母さん……。」


舞の母親は、パジャマ姿で改札口へと向かってくる。

 

 「 どうする ?」

 「 え… ?」

祐樹が改札口を通って 振り向いた。

 「 まだゲームは始まってない。警察にいえば、ネットでもBBRは現実で見つかる。」

 「 …そんなこと…」

 「 できる。…参加する、それともゲームをぬけるかは…お前の自由だ。」


 「 私の… ?」

  そんな…今決めろって…。

 

 「  舞、一緒に帰りましょう ? ほら。」

そういって母は ぐいぐいと舞の腕を引っ張った。



みんなは電車にのらず、そのまま待ってくれている。

  

  私は…

「 舞、帰りましょう。」

  私は…


勢いよく、母の腕を払いのけた。

無意識のうちだった。


 「 舞…。どうして… ?」

 「 お母さん、…少ししたら帰ってくるよ。…友達とこれから…遊んでくるから…。」

 「 舞……。」


そのまま私は、祐樹から切符を手に取って改札口を通った。

振り返らず、そのまま黙って祐樹の後ろを歩いていき、階段を降りる。



その直後、後ろのほうから母の泣き叫ぶ声が聞こえた。


  今すぐ、帰りたい。

  でも…ここで抜けたら…本当に皆に悪いから…


  それに…


  みんなにもう、会えなくなるきがしてならなかったから。