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Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.28 )
日時: 2009/12/01 20:30
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 今思えば、もう少し警戒していれば異変に気がついた筈。

 もっと気を配っていれば——



 

駅に着いたとき、私達は田舎を目指すため少し高い切符を買った。

これで、所持金はほとんど無くなった。

美希も残り少ししかないといっている。


だが、二週間過ごせただけでも凄いということを忘れていた。


そのまま改札口をとおり、電車を待った。

  満員電車じゃないといいんだけど…。

電車を待っている間も、四人の中で誰一人口を硬く閉じたままであった。
だが、無理も無いことだ。

 
自分達は、これから追われるのだ。
捕まってはいけない、何をされるか分かったものではない。

良いことはされないに決まっているのだ。


ただし、人を殺すよりは何倍も良いというのが舞たちの考えであった。

電車が騒がしいホームに着き、たくさんの人が降りた。


車内に入ると、ほとんどの人がここで降りたらしく少ししか人がいなかった。


 ドアが閉まり、ガタガタと電車は揺れながら走り出した。



  ———ん… ?

舞は自分達と同じ車両に乗ってきた中学生四人を、チラリと横目で見た。

何か様子がおかしい。


さっきからこちらを見ては、友達に何かを言っている。
ただし、距離があるため舞には聞こえなかった。

  



  まさか…。

  でも、こんな偶然なんてこと———。


美希も何かおかしい様子に気づいたらしい。


  
  「 祐樹…次の車両移らない ?」
美希はそう小声で裕樹の背中に向かって言った。


無言のまま、祐樹は前の車両へ行こうとした。

美希と恵梨もついていこうとした。





 


  「 …うっ…うごくなぁっ!!! これを見ろ!!!」







一人の少年が、突然大声で言った。

車内は騒然となり、隣の車両からも音が聞こえない。
ただ、電車が線路に沿って走る音だけが聞こえていた。