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Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.32 )
日時: 2009/12/01 20:32
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 「 ねぇ…。」


祐樹は舞のところまで歩いていくと、手を差し伸べて言った。


 「 ………ここに居たかったら居ろ。」





そのまま舞は黙って立ち上がり、祐樹の後について行った。 




——ここもまだ田舎とは程遠いところで、大型電気店が多く建っていた。
その為、暗くなっても店の電気のおかげで、昼間のように明るかった。





  今、私がいるのはネットカフェ。

  未成年だが、今の時間帯なら入っても大丈夫らしい。


店の中で奥のほうにある個室を選び、二人は中に入った。



ドアを閉めた瞬間、舞は思っていることを口に出した。
 「 美希のこと、気づいてたの ?」

 
少しの間、沈黙し、裕樹は頷いた。

 


 「 誓い…破ったね。…ねぇ——。どうして殺したの… ? —何であんなこと…出来るの ?」


  ほんの少し前まで、うまくいってたのに。


  また、みんなであの場所に行けると思ってたのに。

あのときの記憶が蘇る。





 「 あの子、殺したんなら…祐樹もあの子と一緒だ!! 同類だよ !!」


  誓ったのに。

  みんなで誓った。

  銃を使わない、手を血で汚さないと——。

 
  あのことを誓ったから、私は怖くなかったのに。

  自分は誰かを殺してしまうという恐怖から逃げられたのに。


祐樹は立ち尽くす舞を無視して、ネットでゲームの進行状況を確かめた。

こんなところで確かめるのは危険だが、今となってはしょうがない。



 「 あと百五十七。」

パソコン画面を見ながら、祐樹が数字を言った。


 「 …何が…。」

 「 残り。」



  




  ああ…もうそんなに…。

  現実かな、これ——。


  

  違う。


  
  きっとこれは夢で、私は眠っている。


 

 「 これ、長い夢なんだ——?」

舞はもうひとつあった椅子に深く座り、明るい画面を見る。


 「 これは夢だよね——?」


 「 そう、夢。」


祐樹は舞の異変に気づいたが、あえて何も言わなかった。


 
 「 よかった…夢なら何でもいい。」