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Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.37 )
日時: 2009/12/01 20:34
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

  午後六時十分

舞と祐樹は小学校の校庭を出た。

 「 …もし…もしだけど、先生がいたらどうするの ? 見られてたらまずいよ。」

 「 大丈夫だって…もう出たんだから。」

祐樹は相変わらず軽い。

  羨ましい…この楽観的思考。


  私は…私達は…これから誰かを殺すっていうのに…


  なんで怖くないんだろう ?



  誰かが消えなきゃ、このゲームは長々続く…

  とっとと終わらせて、お母さんに会いたい……。



やがて二人は人ごみの多いところに入った。

 「 ちょっと待て。…近くにいる参加者調べる。」

そういって、祐樹は路地に入りパソコンの電源を入れた。

たったの数秒で画面は変わり、参加者の名前と現在地が載った一覧が開いた。

 
  本当に…どうやって調べてるんだろう。
  気味悪いにも程がある…。

  というより、不可能ではないか ?


  ——もしかして、一人に一人ずつ監視役とかいるのかな… ?



  いや、ないだろう。

 「 錐澤かんな…もうすぐそこにいる。後、北野優香……。」

祐樹は考える素振りをして、再び言った。

 「 ——あんまり此処にいる参加者だけ狙うのも良くないよな…。」

 「 …。ステハン、いつまでも此処にいると…。」
 「 あぁ、分かってる。…今日はこの二人。…どうする ?」



  どうするって…?

  やるしかない。だって…

  じゃないと、違反者扱いだし…ゲーム自体長引く……。




 「 …誓い…、破ったね。」


祐樹は黙ってパソコンを閉じ、目を瞑った。


 「 趣味でこうしている訳じゃないんだ……。」


  そうだよ…私達は…。


  好きでやっている訳ではない…けど…。


  

  やっぱり間違っているのかもしれない。
  
  

  ——いや、間違っているのは…誰 ?
 



  


 




 「 …やっぱり無理。私——」
 

首を左右に振って、俯いた。

  できる…できない…。

  いや…できる…。

 




 「 無理して撃つな。…どうすんだよ。」

  
 「 ………やってみる。…少し。」







舞と祐樹は、まず、一人目の〝錐澤かんな〟の顔写真と一致する人物を探した。