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Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.40 )
日時: 2009/12/01 20:37
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

  あれ……… ?


  どういうこと… ?




グイッと祐樹が舞の携帯を手から離し、先に歩いていった。



 「 もしかしてさぁ……もう知ってたの ?」




舞の震えた声に祐樹は動きを止めた。








 「 ……何で言ってくれないの ?」





 「 いつかは言おうとしてた。今お前に言ったらショックで———。」

 「 関係ないよ ! ! …すぐ行けたのに。」







  もうやだ……嫌だよ


  こんな訳の分からない所にいたくない…




 「 お母さんが……。いない………。」





 「 今、お前に教えたらこうなるだろ。」


 「 …もっと早く知りたかったの ! 嫌だ……わたしが…… ?」




 「 もう嫌だ…こんなゲーム……。」


 「 恨むんだったら自分が参加したことを恨め。」


  だって……


 「 だって! ……嘘だと思って…。」
 
 「 じゃあなんでお前はクリックしたんだよ。」


 「 それは———。……分からないよ。」






 「 誰でも簡単に信用するな。…俺のことも。」

 
  
  大人が言うようなことを……



  なんでステハンに言われなきゃいけないの………


 「 信頼して初めて仲間が出来るでしょ! このゲームで——。」

 「 仲間を作ったところで、何が変わる ? このゲームに仲間なんてものがあってもしょうがない。」



 




 「 もういい…聞きたくない……。」


そう言って、耳に手をふさぎ道路の真ん中にしゃがみこんだ。




祐樹が携帯を手渡す。
乱暴に受け取り、先ほどの過去のニュースを見た。



内容は、舞の母親が電車が来る直前に線路に飛び降りた為死亡——…というものだった。



  


  私の責任でもあり、ゲームの責任でもある…。



  いいや、…それはただ責任を押し付けているだけ。





  命の保障はないと、私は最初知ってた。


  その保障とは……自分のことだけではなく、自分と関係している周りの人間も…



  保障は出来ないということ……



  勝った時には……残ったときには…自分には賞金以外の何が残るのか ?




  
    







  こんなゲーム無ければ……



  考えたのは誰だよ………







  自分のせいでもある。
  けれど…そもそもこのゲームの存在自体が許されない……





  どうなの ?






 「 ……姪華はメールでこう指示したよね…。〝取り敢えず〟一人殺して…と。」



 「 それがどうした ?」




 「 きっとまたいつか殺さなきゃいけなくなる…。」






 「 ———私は…BBRを——…。」




無表情のまま、鞄からライフルを取り出した。



祐樹は絶句しているのか、何かを考えているのか、黙っていた。


 


 「 復讐って ?」

 「 そう。」



  私の人生を台無しにしたアイツを——。



 



 「 ———撃ち殺す」


ライフルを強く握り締め、手の震えを押さえた。



 


 「 ……お前の思うがままに」 





  そっか…妹の恵梨、このゲームで……。






    このとき、舞は 自分で人生を大きく変えてしまっていた——…。