ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.43 )
日時: 2009/12/01 20:39
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

倉庫から出たダルシーは持ってきたメッセンジャーバックから白いミニノートパソコンを取り出した。

小脇に抱え、周りに注意しながら倉庫からできるだけ離れた。
仲間に見られていたら、どうなるか分かったものではない。


走り続けると、川原に出た。

砂利のところに座り込み、電源を入れた。



  何でこんなところに…


今の季節、夜はひどく冷える時期だ。
普通なら風邪をひいてもおかしくない。


パソコン画面から出る光が、わずかに明かりを作り出して、顔を照らす。


最近では滅多にパソコンを使っていない。

BBRの仲間になってから、ずっと倉庫にいた。
仲間がすぐ近くにいては、誰かとネットを通じての雑談など出来る訳が無いからだ。


そもそも、ダルシーこと糸江真緒は今の仲間をちっとも信用していなかった。
それどころか、話すらしていない。



仲間なんて勝手に言っているだけなのだから。





 「 …懐かしい 」

ふと、口にした。


こんなろくでもないゲームに強制参加される前までは、いつも向かっていた掲示板。



ダルシーは今、再び掲示板を訪れていた。


  こんな時間に何で起きているんだ…こいつら…


朝方にいるのは、早朝に起きる人と暇人が大半。






当たり前の時間が、今ではとても貴重な時間となっていた。




ダルシーは大抵、突然雑談に加わるほうだ。
適当な掲示板に返信して、返事を待つ。
といっても、掲示板なのでそうすぐに返事は来ない。



気長に待つ。






実際、何かをしながら時々返信するというのが普通なのかもしれない。


そのとき、ダルシーは目を疑った。



  なんで…… ?



自分のコメントに返信されていた言葉、そして返信した人物は———。



 

 「 舞……… 」

ふと、これを言うのも懐かしいような気持ちになった。



  でも、どうしてこんな時間に…


  そもそも、舞…ふぁいばーは………今——。




急いで舞からの返信を見てみた。

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ふぁいばー◆u748qkxihG

久しぶり(・ω・=)ノ

何でこんなに早いのww?
取り敢えず、〝あの部屋〟で待ってるノシ
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もう戻ってくることは無いと思っていたことが


いま


急に戻ってきたようで



真緒は


キーボードの上に


数粒の涙を落とした。



悲しいわけでもなく

会えなくて怒っているわけでもない



ただただ


真緒にとっては     嬉しかった。