ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.45 )
- 日時: 2009/12/01 20:40
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
ペタペタとホテルの一室で舞は行ったり来たりしながら、メールを読んだ。
今度は何 ?
もう…命令なんて……誰が聞くかっ !
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参加者のみんな おはー(・◇・ )
ここで、みんなにお知らせです……っと
現時点で違反者のみんなは30分後の8時から
私のお友達が捕まえに行くと思うよ〜★
逃げられるなんて軽く思ってるから罰が当たるんだよ
今回をきっかけに、軽く見ないでね( ^ω^ )
私達を。
あと、今更参加者殺したって無駄だから。
このゲームはいかに非情になれるかがカギだからさー
そこんとこ、ヨロシク( ^ε^ )-☆Chu!!
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「 お友達……やっぱり—— 」
やつらは複数の人間が集まっているって事…
考えてみれば、日本全国という規模……
さっとリモコンを手に取り、電源を入れた。
いまだ、ゲームについては報道されていない…。
テレビ局……まさか…——。
今度は電話の着信音が聞こえた。
「 もしもし ? ! 誰 ? 今、ちょっと手が離せない——— 」
『 俺。俺だよ 』
はい ?
「 あの—— 」
『 だから俺っつってんだろー 』
もしかして———
これが————
俺俺詐欺 ! ! !
『 もしもしー ? 舞、聞いてる ?』
「 あれ。なんだ…祐樹… 」
『 分かってんなら返事しろよ。忙しいんだから 』
「 忙しいって…あ ! ! ちょっと何で電話番号知ってんの ? ! 」
『 …………聞いた。あのさ、行動するのは夜だからな。いいな ?』
おいこら、聞き流すなよ !
「 何でよ、はやくゲーム終わらしたいんだよ、こっちは。見つからないよう撃ったら逃げるから」
撃ったら、逃げる。
これでいい。
『 …まぁ捕まっても自業自得行為だからな。知らないからな、俺 』
「 自分のことは、出来る範囲で自分でします 」
『 はいはい。あ、ホテルの手続きして出ろよ。じゃ 』
ツー、ツー、ツー、ツー……
何を言いたかったんだ ?
そもそも、起こそうとしてたのか ?
ていうか、ホテル代……
持ってない—————。
じわり、じわりと冷たい汗が噴出してきた。
そのまま固まってしまったようになり、携帯をベッドに投げる。
舞には、今の所持金がどのくらいなのかが良く分かっていた。
しかし、まさか自分が宿泊代を払うとは思っていなかったのだ。
何このどうでもいいような問題…
別に……どうってことない………
ただ、ホテルを出る振りして… 逃げればいい。
そうだよ……荷物をなるべく少なめにして…ロビーさえ出れば……。
荷物をかばんに詰め、祐樹のパソコンも入れた。
恵梨が退場したときに、荷物のほとんどを社内に置いたまま出て行った。
その為、今の舞の荷物はスクールバックの中に入っている物だけなのだ。
立ち上がり、手のひらの中の部屋の鍵を見つめた。
そのままスタスタとベランダへ行き、窓を開けた。
ガラッと音をたてて、窓が開くと冷たい風が部屋へと入ってきた。
その瞬間
曇った空の下に広がる埋め尽くされた建物やビルの隙間へと鍵を投げた。
銀色に輝くそれは、小さくなっていきながら遠くのほうへと消えていった。