ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.46 )
- 日時: 2009/12/01 20:40
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 ダルシーちゃん、一緒に行かない ?」
突然の背後からの声に思わず飛び上がりそうになる。
「 …姪華 ?」
「 アッタリ〜。あ、声でわかった ?」
「 ……何の用 ?」
「 そんな怖い顔しないでよー。…違反者、捕まえに行っていいって」
「 大丈夫 ? なんか…顔色悪いよダルシーちゃん…」
脳裏に舞の顔が浮かぶ…
彼女は殺されないはず……いや、もしかしたら…
「 …あ、八時。参加者にメールで伝えないとぉ……めんどくさー」
姪華は携帯を取り出してダルシーに再び聞いた。
「 で、一緒に〝参加者狩り〟行くの ?」
「 え……」
参加者狩りって———
でも、これがきっかけで舞とコンタクトが取れたら……
今の〝本当の状況〟を彼女だけでも伝えられる。
そうなると、手段はただ一つ———
「 …行く。」
ぼそっと答えると、姪華は笑顔で鼻歌を歌いだし倉庫へ戻っていった。
今のうちに笑え……
パソコンを小脇に抱えて立ち上がり、倉庫の方を横目で睨み付けた。
こっちだって、私だけ企んでいる事を…あいつ等は知らない。
「 舞……」
遠くのほうから、姪華がばたばたと走りながらやって来た。
もう一人を強引に引っ張りながら。
「 仲間なの…知ってるよね ? ハナビ、この人はダルシーちゃん。よろしく」
「 どうぞ…よろしくおねがいします」
「 ……よろしく」
何がよろしくおねがいしますだよ……
「 えっと…私達は取り敢えず、近くにいる違反者の捕獲。だけね」
「 どういった捕獲方法ですか ?」
沈黙。
姪華も目が点になっているが、すぐに言った。
「 え…えっと…まぁ、捕まえるだけ…ね」
「 殺しちゃ駄目なんですか ?」
少々、度肝を抜かれた様な顔をした姪華がゆっくり付け足した。
「 まぁ…その、違反者が…〝酷く〟抵抗する様なら…その場で…」
「 あぁ、そうですか。」
それっきり、ハナビは黙ったままだった。
この子となるべく離れていたいんだけど…
十二歳で…
おかしい……こんな考え方に思考……
困惑しながらも、携帯を持って違反者の現在位置を確かめながら三人は歩き出した。
ダルシーはひとつ気がかりなことがあった。
「 姪華…、私達三人で違反者全員捕まえられるの ?」
どうやら、参加者宛のメールを作成しているようだった。
「 うん。仲間は、私達だけじゃないからね。日本全国、あらゆるところに。」
「 えっ——」
「 …あり ? 聞かされてなかったの ? 参加者一人につき、監視役一人ついてるよ」
これは…予想外だった。
だから現在位置がわかるのか……
『 違反者になった者についていた監視役は真っ先に自分が監視していた人を捕まえるだろうねぇ。普通は。』
「 そう…だったんだ…」
『 うん、そうそう。容赦なく捕獲♪公衆の面でも関係無し!』
二人の後を着いていっていたハナビが急に立ち止まった。
『 小野田 舞。殺害未遂でまだ違反者になってます、それに近くにいます。』
「 ほほぉーっ〝殺し損ねた〟ねぇ…行く ?」
そうか、そうだった…こいつらは知らないのか…
私がこの仲間に入ったもうひとつの理由を———
「 まだ…他にいない?」
ダルシーは焦りをなるべく見せないようにして、ハナビに問う。
「 小野田舞が一番近いですよ ?」
「 よっしゃ ! まず一人目、行って見よう !」
メールを送信し、ハイテンションな姪華を後に、ダルシーは続いた。
動揺を隠すのが、精一杯だった。