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Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.51 )
日時: 2009/12/01 20:42
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 「 君達 ! ! そこで何をしているんだ ! ! !」

サイレンの音が聞こえたと同時に、警察がやって来た。

 「 姪華さん…警察、きましたよ。…どうするんですか ?」

左腕が血まみれになった姪華は、信じられないという顔つきで地面を見下ろしている。


 「 姪華さん……どうするんですか ?」


  あいつが……

  

  ダルシーが………


  仲間を———?


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 「 ダルシー…ダルシー、なんかパトカーの音が聞こえるんだけど…」

  銃声で警察が来たのか…



  あぁもう !あんな騒ぎ起こすくらいならホテルにいればよかった…


  そういえば…鍵、投げ捨てちゃったな——


 「 あ、聞こえた ? …やっぱ銃しまっといて」

  どっちなんだよ !


乱暴に銃をしまいこみ、初めて気がついた。


自分の羽織っている紺色のカーディガンに、血がついていた。


 「 げっ…どうしよう…」

 「 舞、はやく……扉開いたよ」


開いた扉からはデパートの入り口が見えた。


その先には、かなりの人が集まっている。
よくみると、大きなカメラを持った人までいた。

  


  報道陣……テレビ局 !


  何をいまさら…もっとはやく取り上げれば…


 「 …ハマッたな…姪華…。舞、着いてきて」


デパートを出ると同時に、人ごみの中に入りこんだ。


ダルシーの背中を目で追いながら、見失わないよう着いていった。






  ——あれは———

舞の瞳の端に数人の警察官とパトカーへと連れて行かれる先ほど銃で打たれた子が見えた。

その時、連れて行かれる子と目が会ってしまった。




その子は瞬時に舞を指差し、悲鳴に近い声で叫んだ。

 

 「 彼女が…彼女が…っ…私を撃ったんです ! !捕まえて !」

 「 違う ! 私じゃないです ! ! 本当に——」


すぐさま大声で否定したが、近くの警察官がやってきてしまった。


  しまった——

  無視して走り去ればいいものを——


周りを見渡すが、ダルシーらしき人物は見当たらない。


 

無表情の警察官が目の前に立ち、じろじろと舞に穴が開くほど見る。


周囲は騒然として、誰一人口を開かない。
皆、息を呑んでいるようだった。





  いつまで見ているんだよ !


  

 「 おぃ、あいつを知ってんのか ? はっきりしろ」




  なんて口調なんだよ——

  警察官が——こんな——


  
  こんなに荒れていていいのか ! ?



近くで聞いていた人も硬直している。
これには度肝を抜かれたが、冷静になって口を開いた。


 「 …はい。彼女は友人でも知り合いでもありません。撃ってもいません…何か ?」


言った後に気がついたのだった。
語尾に『何か ?』と付けていたことを。

ただし、警察官は無言で舞を見つめている。


沈黙。


あらゆるものが、誰かの発言を待っているようだった。








そして、警察官がようやく口を開いた。
 


 

 「 …そのカーディガンの赤い部分は何だ ?柄でもないだろ ?」



  今までずっとソコをみていたのか——…
  
  柄って……





  でも…いたいところを突かれた…




  どうすればいい… ?
  何か…よい言い訳を……





 






  



  「 ……ミートソースです 」