ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.53 )
- 日時: 2009/12/01 20:44
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
遠くのほうで、未だにサイレンの音が聞こえる。
ダルシーは鍵を取り出していた。
きっとテレビはゲームのことで持ちきりだろうなぁ…
もっと早く放送していれば、一般人も巻き込まれないし、警察も動いたはず…
いや、テレビ局が悪いわけではないが——
がちゃがちゃと鍵を開けて部屋に入っていった。
舞は入っていいのか分からず、おどおどしているとダルシーが手招きした。
マンションの最上階の一室に足を踏み入れた。
舞が玄関に入ると、すぐさまダルシーがドアを勢いよく閉め、どこかへ行ってしまった。
相変わらず…何か雑っていうのか、なんていうのか…
「 お……おじゃまします…」
入ってみると、以外にも普通のマンションの部屋よりは一回り大きい感じだった。
「 あ。どなたー ? 」
ビクッと飛び上がりそうになり、声のした背後を振り向いた。
そこには、舞と丁度同じくらいの背の女子が銃を片手に持って立っていた。
「 ——沙紀、そいつが舞。ふぁいばー」
「 えっ祐樹 ? 祐樹が——」
「 うっそぉー ! ! スゴイ ! ふぁいばーなの ? そうなの ?」
目の前の女の子はいつの間にか舞の手を強く握り締めていた。
今の声…祐樹 ?
でもどこから——— ?
「 あ……うん…、そう。えっと…あなたは ?」
目をキラキラと輝かせたその子は、部屋の奥へと舞を引っ張っていく。
「 沙紀。ふぁいばーと会えるなんて…ウチ、今日は運良いかも——」
ご機嫌で鼻歌まで歌いだした彼女は、舞を別の部屋へと入れた。
かなり強引に。
「 祐樹、連れて来たよー」
そこにはテレビくらいのパソコン一台とノートパソコン二台の前に座る祐樹の姿があった。
「 何で…——何で祐樹がここにっ… 」
「 あ、舞。勝手にウロウロしないでよ」
ここで、ダルシーも部屋に入ってきた。
どういうこと……まさか…
「 ステハン、何でいんの… ?」
まるで亡くなった人が出てきたかのように言う舞の口ぶりだった。
沙紀は二人を交互に見て、未だ幸せそうな笑みを浮かべていた。
「 …舞、祐樹は最初から仲間に入ることになってたの。妹の恵梨ちゃんも」
「 どういうこと ?」
ダルシーはさのまま壁によりかかり、ため息をつくと、話し始めた。
「 つまり、〝私はBBRの仲間に入った時、それでも参加者に何かあったら困るからって事で
反逆できる仲間を徐々に集め始めてた。
祐樹は、妹が参加者になったってことで、関係もって
仲間に入らないかって誘ってみたの〟」
「 ウチは、密かにネットでダルシーに仲間にならないかって聞かれて入ったよー」
複雑すぎる
ここまで自分の知らないうちにとんでもないものが築かれていたのか…
ダルシー—— …
計算高すぎるよ、本当に——
「 じゃあ、祐樹と恵梨ちゃんは仲間なの ?」
「 そういうこと、他にもいるけど」
そうか……
「 あー、久々に頭使った気がする…」
自分の頭を軽く叩きながら、整理しようとした。
祐樹がそれを聞いて、笑い出した。
「 へぇー使ったことあったんだー」
「 祐樹黙ってて」
「 なんだとこのネッ———」
「 あぁぁぁ ! ねぇ !!!見てこれ、見てみて」
突然、祐樹のパソコン画面を覗いた沙紀が大声を上げた。
テレビくらいの大きさのパソコン画面には、あのBBRのサイトが映っていた。
しかし、その映していたものは、何と次から次へと減っていく残りの参加者数だった。
一人…二人とまた減っていく…
画面に釘付けになった四人が、目を疑った。
舞は、ある言葉が思い浮かんだ。
〝 違反者狩り 〟