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Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.58 )
日時: 2009/12/01 20:47
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 「 いつまで逃げてる気ですかぁ ?」

すぐ後ろのほうで声がしたと思えば、すぐ真横に詩音がいたり、今の舞に逃走は不利だった。

どんなに走っていても、舞には詩音以外の人は見えなかった。
それどこらか、気配すら感じなかった。
これでは、助けさえ呼ぶこともできなかった。

  やっぱり…どの家もテレビとかでゲームを知ったのかな……

そうなると、誰一人外に出たくなくなるのも頷ける。
外には銃を持った子供が何人もいるのだから。

たとえ合わなかったとしても、流れ弾にあったり、変に事件に巻き込まれたりしたらとんでもない。


 「 あーあ…仲間と来ればよかった…とか考えてるんですか ?」

舞の足も悲鳴を上げ始め、最初から全力で走らなきゃよかったと後悔した。

  それにしても……挑発のつもりだったとしても、満面の笑みで横走られると…なぁ…
舞とは別に、詩音は余裕の表情で横を走り続けている。

  どうする…


  いつまでも走り続けて終わるなんて考えられないし…
  時間稼ぎだとしても、こんなんじゃこっちが先にくたばっちゃうし———

 「 …まぁ、仲間が来たって私が全員捕まえるのに代わりは無いですが——」

 「 ずっと走ってても貴方が疲れるだけですよ…」




 「 もうそろそろ———」

 「 いつまで喋ってんだよ !!!!!!!」 
詩音のフードを掴んでそのまま後ろへ引っ張る。

不意を突かれた詩音はバランスを失い後ろへ倒れこむ。

 「 なっ——何——」

詩音を道路に押し倒すと、舞は周りを確認しながら銃を即座に取り出した。




無音。

静寂。


静かに——銃口を頭に向ける。

仰向けになり、舞と見つめ合う詩音の瞳に恐れといった色がなかった。
ただ、まっすぐ彼女は舞を見据えている。

早く撃てとでもいうように———。