ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.62 )
- 日時: 2009/12/01 20:51
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
早く———
早く———
早く———
「 落ち着きなよ、舞ちゃんケンちゃん———」
『 落ち着いていられるか !』
「 うわっ——。…す、すいませんでした——」
ドスドス、ドスドスと二人の部屋を行ったり来たりしている音が聞こえている。
何分間も。
先程の舞、ダルシー、裕樹の会話の内容を沙紀とケン
はダルシーから聞いたのだ。
沙紀は冷静だったが、ケンはいつもより倍落ち着きがなくなってしまった。
舞と一緒に部屋の中を往復しながら、自分達には何ができるかを考えていた。
最低限——私達に何ができのかな———
相手も詩音みたいなのが沢山いたら…ちょっとまずいよ———
「 …無闇に違反者助けようとしたって、こっちにメリットなんて欠片はひとつも無いし——」
「 …まぁ、せいぜい〝退場者を減らすことができる〟が最大のメリットだな」
ダルシーはテレビ画面に映し出された参加者の顔写真を眺めている。
「 ……でも、それ、こっちのメリットじゃない気がしてね———」
次から次へと移り変わる参加者の顔は、全国へと知れ渡っていることだろう。
ニュースではケンがこの場所に到着してから、ずっとゲーム関連の事しか報道していない。
参加者達にとってはもう遅いよという感じだ。
これ以上、無闇に怪我しないほうがいいんだけど——
何か、助ける方法は—— ?
『 ——はい、ここで、今入ってきた情報についてです。
…現在、謎のゲームの参加者で自ら出頭する者が
多発しており、近くの警察署に訪れるものや
通報する者が増えているそうです。
これにより、警察側は———』
「 マジかよ…自首するって———」
「 追いかけられるよりマシなんだろ。どう考えたって」
「 そりゃそうだけどさ———」
「 でも、これで半分だけ一件落着じゃない ?
だって自首すれば、取り合えず命だけはとられないでしょ ?」
「 確かに、沙紀の言うとおりかも……
違反者も参加者もみんな自首すれば… !」
「 でも、この先の人生、参加者は苦労多そうね——」
そうか———
違反者はともかく参加者側にとってはかなり生活しずらくなるだろう。
誰かの命を奪ってしまったのだから。