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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 一話 出逢い ( No.2 )
- 日時: 2009/12/01 22:54
- 名前: 夢故 ◆X0Idle3QAw (ID: xYJBB/ey)
暗い空間の中、一人で立っていた女性が居た。白のセーターに、青のデニムのジーンズを着ており、黒髪のポニーテールに、黒い眼。それが木本凛子だ。よく考え、彷徨い、出口を探していたけれど、見つからない。
「本当、真っ暗——」
と凛子は言い、顔を下に向けた。諦めたわけでは無いが、考える気力すら、もう無いのだ。
「ねえ、誰? 君」
すると、この真っ暗な空間に一人の声が聞こえた。年齢は八歳か九歳ほどと分かったが、女の子か男の子かは良く分からない。凛子は声に気付き、顔を上に上げて、質問に答えた。
「……凛子。木本凛子。あなたは、誰なの」
質問に答えている時に、顔を目の前に居る少年に合わせた。少年は、黒髪のショートに黒眼の少年。眼は少し、吊り上っている。服装は、青のTシャツに灰色のズボン。凛子はさっきの声は、きっとこの少年だろう、と思い、名を訊いた。
「ぼくは、直樹」
「直樹……?」
凛子は、直樹、と言う名前を言い不思議そうに首をかしげた。直樹と言う名前を、凛子はどこかで聞いているのだ。この空間では初めて聞いた。じゃあ、他の空間で聞いていたのかもしれない。
凛子は、確信した。この空間は、たくさんある中の一つの空間。じゃあ、私が居た空間もあるはず、と。どんな空間かは分からない。
「……悩むより動け!! 直樹くん、来る?」
「うん!」
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