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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 闇ニ舞ウ記憶ノ欠片 ( No.8 )
- 日時: 2009/12/04 12:07
- 名前: 黒翼 ◆ERZNJWqIeE (ID: 82QqnAtN)
- 参照: http://all-star5-knksk.cocolog-nifty.com/blog/
1冊目【狂気ノ歌】 3ページ目
……嬉しかった。だから、ショックが大きかった。
「俺ノわざ……ニンゲン化ケ」
「なっ……じゃあ!」
「わざノ効果ガ切レタダケダ」
輝の衝撃の発言に、俺は絶望した。
「くそっ!」
鍵のかかった図書室のドアを、一生懸命に開けようとした。
「無駄ダ」
開けるのは無謀? そんなコトで諦めるもんか。
“死にたくない”
それが原動力だ。
けど、柴田——否、死体が言ってる意味は違った。
“開けても無駄”
「うわッ!?」
忘れてた。
ドアの向こうには奴らがいることを。
「ニン、ゲン……食ウ……」
夢だって言ってくれ!
現実なら、俺を生かさせてくれ!
せめて人の元へ行かせてくれ!
こうなったら逃げ道はひとつ。
助走をつけて、思いっきり身ひとつで窓ガラスにダイブした。
キラキラ舞うガラスの破片。
奴らはそれを呆然と見ていた。
——勝った。
逃げ切った。
俺は駐輪場に立ち尽くした。
追ってこない奴らを見、勝ったと確信した。
——刹那。
「雄治」
背後から擦り寄る冷たいモノ。
それは確実に俺の身体を捕らえていた。
「——!」
「オレヲ忘レナイデ」
——アキは、俺の背でニタリ、と笑った。
——1冊目終了っと。お疲れ様。
なんか、ぱっとしなくなかった? 気のせいならいいんだけど……とりあえず、ありがとう。閉じよう——
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