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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 絶望生活 ( No.4 )
- 日時: 2009/12/04 22:36
- 名前: †‡黒榊 麗弥‡† ◆O8ZJ72Luss (ID: SSNg/Zhu)
「どうぞ」
男が手をさしのべる。
「あっ…」
その時思い出した。
「俺…今全く金持ってないんで…。やっぱりもらえません」
「え?」
男は不思議そうな顔をして俺を見た。やっぱり売りつけるつもり
だったのだろうか?
「私は貴方に売るつもりはなかったんですよ?これは
さしあげます」
タダ?いくら人がよくてもそれは流石に悪い。
「そ…そんなッ!!わ・・・悪いですよ!!」
男は首を左右に振った。
「いえいえ。こちらは商売ではないので。ただ、お望みを
答えてあげるだけ。だから、もらって下さい」
また男が手をさしのべる。そこまで言われたらもらうしかない。
俺は薬を受け取った。
「Good life」
さわ…と、風邪とともに男は暗闇へと消えていった。
「ありがとうございます!!」
届いただろうか?もう少しで言いそびれるところだった。
(…俺…そういや錠剤苦手なんだよな…)
そう思いながらも俺は手にした薬を一気に飲み込んだ。
それからだった。俺、上杉楓の生活が一変し始めたのは。
†
「部長?話があるんですが」
「は?俺はない。お前はクビになりたいのか?」
(あれ…?)
なんだか見覚えのある光景。
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