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Re: 満月での願い事 ( No.1 )
日時: 2009/12/05 00:25
名前: 李矢 ◆D3MA0deLsg (ID: xYJBB/ey)

プロローグ


 今宵は満月。月が光って、輝いている。太陽にも負けないほど光っているが、周りの色が濃い藍色のためか、どことなく、寂しく、悲しく、そして切なく見える。
 
女神様ヴィーナス! 願いを叶えてください!!」

 この国には、あるおまじないの様な物があった。満月の夜に、願いを言うと、願いが叶うと言うまじない。
 願いが叶うことは、無かった。ただ、ただ、一つの可能性を信じ、願う。願っても、何ら変化は無い。ただ、一つの命が奪われていく。
 銃声は夜でも鳴り、止むことなど無かった。目の前にあるのは、絶望、絶望、絶望。
 
 復讐だけが生まれた。憎しみは憎しみを産む。悲しみの連鎖はこのまま続いていく、そんなことが、当たり前になってしまった。
 
 人間は、何も無い。だからこそ、神に願う。
 レーシャと言う一族があった。神様に最も近い人間。特徴などは無い。
ただ、人間を殺すだけに生まれた兵器。