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第十二話 “竜精の槍” ( No.15 )
日時: 2009/12/12 08:26
名前: (( `o*架凛 ◆eLv4l0AA9E (ID: 81HzK4GC)

 「今こそ我に力を与え、この手にくだれ_______双竜天!!」

 キラが叫ぶと、突然雷鳴が轟いた。周りにいたものは呆気にとられ、呆けている。
 ハーディも驚き、一瞬目を離したがすぐに視線をキラに戻した。
 そして、キラの手には……

 「これが、僕の“双竜天”さ」

 一本の槍がにぎられていた。竜をかたどった柄、鋭利なきっさき。
 それは、天を突くように高々と上げられ、まばゆい光を放っていた。

 「双竜天……“竜精の槍”……か」

 ハーディは小さく呟く。
 “竜精”その名の通り、竜の精である“キーン”の力を借りて使用する槍。
 その槍を手に入れるには、竜と戦い勝ち、契約を結ばなければならない。
 “竜精の槍”を持っているということは、
 それに相当する力の持ち主だと言うことだ。

 「じゃあ……遠慮なくやらせてもらうよ?」

 キラはにっこりと笑うと、槍をこちらに向け、
 真っ直ぐにハーディを見据えて突進してきた。
 その顔は……笑顔だった。

 「…………!?」

 ハーディには意味がわからなかった。あまりにも直球すぎる。
 こんな正面からの攻撃を。よけれないとでも思っているのだろうか。
 ハーディはタイミングを見計らって、軽く上に跳んだ。
 当然キラの攻撃はよけて__________

 「えへへ。油断しない方が良いっていったのに」

 気が付いた時には既に……キラはハーディの頭上にいた。
 ハーディは驚愕に目を見開き、下を見下ろすと、そこにもキラが……。
 上下からはさまれ、ハーディは身動きがとれない。
 二本の槍が、その体を貫こうと振り上げられ、きっさきがきらりと光った。
 そして________


 バァァァァァァァァァァン!!__________

 凄まじい衝撃音が、大地をふるわせた_________