ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

3。  ( No.3 )
日時: 2009/12/24 17:26
名前: 六 ◆BbBCzwKYiA (ID: IJ2q7Vk/)

要するに俺は、神を殺した事によりそういう役割にされた訳さ。

話を終えた彼は、そう結んだ。
———そうか、あれは、

……彼自身の話だったのか
暫く、何の音も聞こえなかった。
それは、哀れみだとか同情だとかそういうモノからの沈黙では無くて、
悲しみと呼ばれる感情が、消えた時のような、

そんな、どこか安心さえ覚えるようなモノだった。
そんな沈黙の後、漸く聞こえた声は、自分の物だった。

「私はもう直ぐ死ぬのでしょう?

なら、何故そんな話をするの?」

彼は、何時の間にか部屋と同じ色の白い光が射してくるだけの窓の前で黒い翼を羽ばたかせていた。
「そんな事も分からないのか」彼は言った。

「お前がもう直ぐ死ぬから、こんな話してんだろ」

………ああ、そうか
死ねば、もう何も出来なくなる。
勿論自分の肉体では動けないし、話す事も出来ない。
だから、目の前にいる黒い天使は、私に自分の事を話したのか。

「……一つ。聞いていい?」

「ん?」

「………私は、何時死ぬの?」

彼は小さく笑った。

「1ヶ月後。本当はもっと短いんだぜ?でも俺優しいから大サービス」

その言葉に、私も笑った。
思えば、この部屋で感情を表したのはこれが初めてだった。そんな事は何にもならないが。
1ヶ月________
もう少し生きたかったような気もするが、もうする事が無いから、生きていても仕方が無い。
それを言葉にして、もう一度、小さく笑った。

〜〜〜〜〜〜〜
彼が話したお話は後々書きます多分(