ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: >>> ア   ク   セ   ス > >  ( No.51 )
日時: 2009/12/23 19:04
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

.馬.鹿.というべきなのか、無謀なのかは分からない。

車と人。
どちらが早いかなんて事、分かりきっているだろう。

しかし、三人は違っていた。

舞、涼、間崎の三人は、迫り来る車から走って逃げていた。
結果は誰もが思うとおり、すぐに自分達の真後ろにやって来ていた。

 「 おぅーい ! 大人しくするなら……轢かないでやろう ! ! 」
三人の中で一番後ろで走っていた舞の後ろに、べったりと車はくっついて走っていた。

どうやら一台には何人もの警察官、らしき人が四、五人乗っているようだった。
  ひく……轢く ? !
  冗談じゃないよ——

  こんな事してたって——.あ.い.つ.等.余裕だし——
  こっちが体力無くなっていくだけじゃん———

ゼェゼェと.荒.い.呼.吸.をする三人のスピードも、体力と共に徐々に落ちていった。

 「 なぁ……どうするんだ…… ? 」

 「 ……知ら……ない……よ——」
  何で私に振るんだよ、こんなときに涼は——

その時、急に間崎の走るスピードが速くなった。

 「 ちょっと……は.ぁ.….もう、何でそんなに——」

 「あれ見てくれ…… ! 」
舞と涼は同時に、間崎の指さす前方に顔を向けた。

しかし、暗くていまいちはっきりと見えなかった。

  見えないよ———

走っているうちに少しずつ見えてきたのは、建物と建物の間の路地だった。

 「 あそこなら…… ! 」

後ろの車の運転手の顔をちらっと見ると、どうやら前の路地に気づいていないようだ。

  一旦、休むことは出来る筈———

涼も路地に気が付いたらしく、そのまま三人は路地めがけて走り出す。

車もそのままスピードをやや早くして着いて来た。


 「 うぉり.ゃぁああ.あ.ー.っ ! ! ! 」

異様な雄叫びと共に路地へ舞は.突.っ.込.んでいった。
そして遅れて涼と間崎も逃げ込んで来た。

三人とも呼吸は荒く、呼吸するたびに肩が動いている。

 
 「 あ…… ! ! 」

舞は路地をめがけて走り来る車を目にして、急いで涼と間崎の腕を掴み、
路地の奥まで進んでいった。

運転手の前方不注意だったらしく、数秒後には勢い良くぶつかった。

金属の部品が転がる音、壁の砕ける爆音が辺りに響き渡り、
今さっきまで三人の射た所には、ぶつかった衝撃で飛んで来た破片などが散乱していた。

危機一髪だった。


つづけて後ろの二代目の車もぶつかりそうになるが、ギリギリで急ブレーキの音がした。
その後に三代目、四代目と同じように続く。

誰もが呆気に取られて、ぶつかつてぐしゃっとしている一代目の車を見ていた中、
我に返って、落ち着いた三人は一目散で路地を抜けていった。


  よかった……———

  けど


  これはただ、運が良かったに過ぎない——



 「 .奴.ら.、絶対すぐに追いかけて来るよ ! 」
間崎は焦った様子で、何度も後ろの路地の方を振り返っていた。
 「 こりゃあ、警察じゃないな……」
 「 そりゃそうだろ——でもだとしたら、何で.奴.ら.は……」

疑問が残る中、舞はふと頭上にある看板を見上げた。



 「 やばいかも……——」

舞の一言に、二人も振り返って看板を見上げる。



 「 ……何がやばいんだ ? 」
間崎は何も知らない為、舞と涼に尋ねた。




舞は涼と間崎を交互に見やってこう言った。





 「 ……香奈のいる所から……余計に離れちゃった———」