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Re: 逝来姫 ( No.3 )
日時: 2009/12/12 13:56
名前: 雪梨 ◆GniOoWrG2M (ID: 6.Riuk1k)

壱話*別の世界

「……此処、何処……?」

気付けば、辺りは血だらけで、返り血を浴びた私が立っていた。

「……え? ……何、此処」

私は、確か、陸斗と一緒に下校してたのに……。

どうしてこんな意味の分からない所に居るの……?

「おいっ。其処の娘」

ふいに後ろから声を掛けられ、私は肩を震わせた。

「……見た所、此処に来たばっかじゃろ」

「……っ、あの! ……此処は何処なんですか!? 私はどうして、こんな所にいるんですか!?」

パニック状態の私は、見ず知らずの少女に必死に話しかける。

「……やはりの。此処にいては殺されるぞ、とりあえず、こっちに来なしゃんせ」

少女は私を手招きして、大きな石の陰に隠れた。

「まずは自己紹介じゃ。私は、菊若沈丁花。宜しく」

「そんな事してる場合じゃなくてっ! 此処は何処なのか、聞いてるんです!」

既に涙目の私。

いきなり、あんな血塗れの世界に連れ込まれたんだもの。

……当たり前……って。

え?

世界、に。

連れ込まれ……た?

「……分かったじゃろ。此処の世界の名は“相殺場”。つまり、殺し合いの場」

「殺し合いの場!? 何で、そんな世界に私がっ……」