ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 恐怖のおにごっこ『現在オリキャラ募集中です』 ( No.9 )
- 日時: 2009/12/13 13:40
- 名前: 柚木 ◆weHXHV.lMc (ID: zXSVwxXi)
私は昨夜の事もあり、中々寝付けなかった。布団を頭から被りながら私は携帯を睨みつける。
日にちは分かったが、時間が分からなければいつ始まるのか分からないのだ。私は携帯を開くとメール受信箱を見てみた。
昨日のメールはちゃんとおいてある。何かの役にたつかもしれないからだ。
ふと、頭に友達の顔と名前が浮かんだ。
「穂波、蓮、美希、理奈」
4人の名前を呼ぶたびに涙がでてくる。鬼ごっこなんてやめればよかった。後悔してしまった。
私は涙をふきながら携帯の画面に1粒の涙を落とした。その時新着メール受信音が鳴り響いた。その音に私はどぎまぎしてしまう。
チャンチャチャン♪
恐る恐る新着メールを見てみることにした。
【こんにちは。鬼ごっこ管理者です。さて今から鬼ごっこを開始したいと思います。まず先にルールです。
途中で抜けてはいけません。万が一抜けた場合は失格とみなし、殺します。心配しないで?殺されなければ済む話だし。つかまれば死ぬけど、さて今回の鬼は。
『群青 莉音』と『空乃 魔夜』と『美夏』です。この3人に捕まらなければおけ。後鬼はこれからも増やしていきますよ?日はお分かりでしょうが5月1日から6月20まで、命の保障はしません】
鬼は今、3人。この3人に捕まらなければいいの話。
そう、私は結構運動神経はある方なので大丈夫なのだ。しかし莉音はわかるとして魔夜って人と美夏って人の姿が分からない。第一初対面だし。
でも、鬼ならきっと凶器だの持ってるだろうと思い、私は一まず家をでた。リュックには何日間かもつことができる食料と、飲料水、それに財布や万が一の為に包丁を持ってきた。使いたくはないが……
ポケットには愛用の携帯がある。
「さて、出発の用意はできた。行かなくては」
しかしどこに?分からなかった。この先私がどこに行こうと勝手だ。鬼にさえ見つからなければいいのだから。すると数歩先に重い足取りでこちらに向かってくる人物を発見した。
私の心臓は高鳴り、まさか『鬼』と思いながら数歩後ずさりした。すると数歩先にいる人が顔をあげた。
「え……穂波??」
その先にいたのは穂波だった。手には何も持っていなく背にはリュックサックが重そうにある。穂波は涙声で私に飛びついてきた。
「菜乃香——会いたかったぁ」
いきなり飛びつかれ、私は一歩後ずさりするほどだ。いきなり飛びつかないでほしい。
「私、これから鬼につかまらないようにでかけるの。一緒にどう?」
私は穂波の涙を指で器用にふきながら聞いた。もちろん穂波は頷いた。
「うん!!」
「決まり!じゃいこう」
私が大きな声で叫んだ後、穂波が私の袖を引っ張りながら言った。
「シ——五月蠅い」
私はその手を払いのけながら顔を太陽の方に向ける。その様子を見ながら穂波が後ろから小声で叫んだ。
「美希と理奈の家に行く?」
その一言で私は大きく頷いた。
穂波は呆れたような顔で私を見つめる。しかし私はそんなのお構いなく進んだ。前方に髪のはねた男の子がいる。その子はサッカーボールを蹴っている。間違いない…… 『蓮』だ!!
「蓮——」
その大声で連は気づき、サッカーボールを蹴るのをやめた。穂波も後ろからノロノロとやってきた。
「おぉ。菜乃香に穂波じゃん!どこいくんだ??」
私は胸を張りながら大声で自慢した。
「えっへん!美希と理奈の所に行くの」
チラッと穂波を見たとき、穂波は冷や汗をかきながら喉をならしている。蓮は満面の笑顔で言った。
「俺もいっていい??」
「もちろん、ねぇ?穂波」
確認をとるため、穂波の方に視線をうつしたが何故か穂波はさっきから喉をならしながら顔をうつむかせている。その様子に気づいた蓮は不安そうな顔をしながら聞いた。
「穂波大丈夫か??」
私は穂波の代わりに、穂波の手をとりながら言った。
「あ……あはは。大丈夫だって。穂波は緊張してるんだよ」
その言葉を言った途端、蓮は黙りこくった穂波を見ながら回れ右をした。太陽は今、赤々と燃えて、鬼を照らす。蓮の友達『莉音』は私達を知ってるもの。どこに現れるか分からない……
何しろ知恵がある。そんな人物に鬼になってもらったら……