ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 鉄パイプと彼女 ( No.2 )
日時: 2009/12/16 22:01
名前: M (ID: gpPx10DG)

第一話

いつからだっただろう。
私が鉄パイプを握るようになったのは。

冷たくて、硬くて、長くて・・・
決して私のような人間が持つものではないのに。
気づけば私は握っていた。
気づけば私は振りかざしていた。


気づけば私は・・・・人を殺していた。









「はっ!・・・・夢、か」
彼女、一之瀬環は暗い路地で目を覚ました。
彼女に家はない。
最近は人目のつかない路地裏か空家を勝手に使って暮らしている。
昨日は資金を稼ぐためにある財閥の屋敷を襲った。
そのため疲れて眠ってしまったのだ。

「ひとまず出かけよう」
環は起き上がりよろよろと歩きだす。
手には銀色の鉄パイプを持って———