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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鉄パイプと彼女 ( No.4 )
- 日時: 2009/12/17 22:06
- 名前: M (ID: nC4FdBJT)
第三話
その青年は人懐っこい笑顔を浮かべて環の隣に座った。
「まぁまぁそう怒るなって。別に食い逃げしてるわけじゃねぇだろ?」
包丁片手に小刻みに震えて怒りを露わにしている店長を見て青年は笑いながら言った。
「そんなことは問題じゃねぇ!お前がいると客が全く来なくなるんだよ!」
「はいはい。でもそれは俺にも解決できない問題だ。一体俺の何がいけないんだろうねぇ、お譲さん?」
「え!?」
いきなり話を振られた環は挙動不審になった。
その様子を見て青年はまた笑う。
「あー、いきなり悪いな。俺の名前は天霧総一。ちょいとここら辺では有名なんだがー・・・知らないよな?」
「初めて、知った・・・・」
「そか」
ならいいんだ、と笑い適当にラーメンを注文する。
何故かわからないけど、環は総一から目を離すことができなかった。
彼が不思議な存在に見えて・・・・・
「お、店長、また客だぜ?」
その時、店のドアが乱暴に開かれた。
「だから来るなって言ったんだ!おい、店閉めるから早く出ろ。お譲ちゃん、すまねぇな。今日のとこは大人しく帰ってくれや」
何が何やらわけのわからない環に総一は笑いかけた。
「ここはお譲さんの出る幕じゃねぇよ?」
「この人たちは・・・・?」
目の前には黒服を着た集団。
その中心には鋭い眼をした男が立っていた。
「さぁ、大人しく俺に殺されな。一之瀬環」
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