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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鉄パイプと彼女 ( No.6 )
- 日時: 2009/12/18 21:20
- 名前: M (ID: 0a987INq)
第五話
「今のは何者なんだ?なんか訳ありっぽいけど」
海たちが去った後、総一は床に座り込む環のそばに駆け寄った。
環の呼吸は完全に乱れていて表情も厳しかった。
「なぁ、お前ただのお譲じゃねぇよな。何があったんだ?俺に話してくれないか?」
「聞かないほうがいいっ・・・」
「何でだよ。俺だったらお前の力になれるはずだ」
「余計なことしないで!これ以上あたしに関わらないで!」
環は総一の手を振り払った。
荒い呼吸を続けながら言葉を紡ぐ。
「あたしに関わったら・・・絶対あなたは後悔するっ・・・。自分を殺すことになる!」
「そんなのわかんねぇだろ!」
総一は環の両肩をつかんだ。
「俺はお前と会ってまだ数分しか経ってないけどよ、それでもわかるんだ。苦しんでることぐらい」
「どうして・・・・?」
「そんなのっ・・・」
総一は顔を赤くしながら言った。
「お前のことが好きだからに決まってんだろ!」
「!?」
「名前もまだ知らない。だけど、好きなんだ。一目惚れなんだ。迷惑だって、お節介だってわかってる。でも惚れたもんは仕方ねぇだろ?勝手に付き合わせてくれよ」
「意味、わかんないっ/////」
そう言った環の顔もわずかに紅潮していた。
「なぁ、名前教えてくれよ」
「・・・・・・一之瀬環」
「そっか。よろしくな、環!!」
「もう行く!!」
「えぇっっ!?」
環は顔を赤らめながら歩き出した。
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