ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 逆転デキマスカ? ( No.10 )
日時: 2009/12/16 20:10
名前: 朝喜 ◆rgd0U75T1. (ID: cRxReSbI)

  9

 朝の学活の時間。
 その違和感は、広がりつつあった。
「あれ? 何かセンコーのヤツ遅くね?」
「別にいんじゃね? そんなの」
 それは伝染するかの如く広がっていき——

「もう来てるよ、クスクスクスクス……」

 一人の少年が呟き、教室の扉が勢いよく開いた。そして、入ってきた者を見るなり皆が絶句する。
 入ってきた教師が——血塗れかつ血走った目で生徒たちを睨んでいるのだ。
「な、永水ぁ!! キサマ——」
 言い終わる前にその教師は永水と呼んだ生徒の回し蹴りを食らった。その光景は、たんに少年が汚い大人を蹴るだけというものではなく、綺麗な弧を描くようにしてぶつけられた足が教師のバランスを崩し、もう片方の足で黒板にめり込むという無様な光景だった。
 すかさず、どこから持って来たのか、ロープのようなもので教師を縛り、少年——永水柊ニ(ながみなとうじ)は不気味な笑みを浮かべ、満足そうに叫んだ。

「いっつぁしょ〜たいむ!」