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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 逆転デキマスカ? ( No.7 )
- 日時: 2009/12/16 19:40
- 名前: 朝喜 ◆rgd0U75T1. (ID: cRxReSbI)
6
図書室とは『本の匂いがする所』なのだ。本の匂いがわからない人が多いらしいが、その少女は確かに知っている。本の匂いを。
「え〜と、ブギーホップ、キノの旅、半分の月がのぼる空、アクセルワールド、撲殺天使ドクロちゃん、狼と香辛料……………!? な、ない!?」
少女——小夏(こなつ)は淡々と目の前の棚に並んでいる本のタイトルを言いながら目当ての本がないことに気づく。
少女が探していたのは『バッカーノ!』という本。
すぐさま図書室にいる先生? に訊き、誰かが借りているのかということを調べる。
「ああ、アレね。あまりに人気だったもんで皆すぐ借りてっちゃうのよね〜」
「で!? その本いつ戻ってくるんですか!?」
少女の目が血走っている。
「もうないよ?」
沈黙。
——え? 落ち着け私。「もうないよ?」ってどういう意味だ?
——落ち着け、どんとうぉーりーだ私。
——えっと「もうないよ?」っていうのは、まるでもうないみたいな事だ。
——つまり、え〜と……
「つまり、人気がありすぎたんだけど、乱暴な人がいて、破けちゃって、で、それで捨てたってこと」
淡々と言う先生? に対し、小夏は……
「馬鹿な!? ……じゃ、じゃあ越佐大橋シリーズの上巻って……ありますか?」
「あるけど——」
「やった!」
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