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Re: 黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】 ( No.11 )
日時: 2009/12/19 13:32
名前: 黒咲 ◆PZGoP0V9Oo (ID: 34QCmT3k)

 暗い廊下に響く、3つの足音。

 1つは、厚底ブーツのたてる音。
 もう1つは、赤いパンプスのたてる音。
 そしてもう1つは、ガシャガシャと、少し鎧の軋みも混じる音。

 それぞれが、思い思いに歌っているように鳴り、頭上で飽和して反響していく。

 「♪ What is moving to of red small bird song of sung welcome to me and red small bird's red?
Criminal's blood to say nothing of it. ♪」

 「綾依たーん、この剣士っち何て歌ってるの?」

 「・・・『私は歌う 歓迎の歌を
  真っ赤な小鳥に誘われて
  小鳥の赤は、何の赤だ?
  それは勿論 罪人の血よ!』・・・って・・・。」

 「うっほほう!そいつあ素敵だ!俺も一緒に歌うかな〜」
  こいつ、変態か。

  それより、ずっと気になっていることがあった。

 「あの、歌ってないで、ここに来た目的を教えてもらえません?」
 すると、ご機嫌そうに歌っていた殺し屋、急に黙り込み。
 「・・・そのうち分かるさ」
 白く綺麗な顔が、一気に陰る。

 私は怖くなった。自称『人類最強の殺し屋』、舞崎周をここまで陰鬱な表情にさせる〝モノ〟が、この館に存在するとしたら・・・。

 私は、とんでもない世界に足を踏み入れてしまったことになる。

 きっと、もう2度と戻れない世界に・・・ね。