ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】 ( No.12 )
日時: 2009/12/19 13:52
名前: 黒咲 ◆PZGoP0V9Oo (ID: 34QCmT3k)

 「では、こちらでお待ちください・・・」
 そう言って、剣士さんは奥に消えていった。
 私達を、真っ黒のシャンデリアのある、広い一室に残して。

 部屋全体を見回すと、シャンデリアと同じように黒で統一された、言うなれば『ゴシック調』になっている。
 舞崎さんには、こういう部屋がよく似合う。そして本人もこういう物が大好きらしく、ゴシックのアイテムを見ると「おおお!これ最高じゃんか〜!」と叫びまくっている。よく使われる言葉でいえば『中毒』。

 しかし、今日ばかりは勝手が違っていた。
 美形をぎりぎりと引きつらせて、闘志の塊みたいになっている。その闘志が伝わって、熱いくらいだ。
 比喩ではない。

 「来る・・・・来るぞ」
 「え?今、何と・・・・・」

 「——— 避 け ろ っ !!」
 という叫び声を全て聞き終えるまえに、私と舞崎さんの間を掠めて1本の鋭い矢が飛んでいった。
 ものすごい力で舞崎さんに抱き留められる。

 ——嗚呼、こんないい男に抱き留められるなら。
 こんな『狂人の館』とかじゃなく、もっとロマンチックなムードの・・・・なんて妄想してる場合じゃなかった。

 第2発目はすぐやってくる。

 「———っ!!」
 なんとかギリギリで避けた。が、コートの裾を持って行かれる。
 シュッ——! と尖った音が暗い室内に響く。おもむろに手を伸ばすと、切られたコートが戻ってきた。

 さすがは人類最強、声を発すると居場所を感知されてしまうことを知っているのか、声は・・・・

 「あっはは!雑魚い玩具だな!!こんなもんで俺を殺せるとでも思ってんのか、ん!?」
 上げやがった。案の定、声の居場所目掛けて鋭い矢が発射される。
 しかし、殺し屋は攻め手を嘲笑いながら様々に移動しているらしく、的を外した矢が壁に突き刺さる音しかしなかった。

 ふいに、私より幼い(うーん、中学生くらいか)女の子の声がする。

 「あーあ。やっぱりこういうのは使い慣れてないとダメよねっ。」

 「そうだな。俺を本気で殺してーんなら・・・」

 シャンデリア点灯。どうやら舞崎さんがしたらしい。

 「こ こ ま で し ね え と な っ」

 ———そして・・・