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Re: 黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】 ( No.8 )
日時: 2009/12/18 14:30
名前: 黒咲 ◆PZGoP0V9Oo (ID: 34QCmT3k)

 気がつくと、私は舞崎さん(もう面倒くさいから名字でいいか)と一緒にいた館の門前から、舞崎さんの車のところまで引き返していた。

 「おおおーい、ここまで来て何だってのお。」
 「私は何も知りません。そんな狂った名前の館に連れ込まれるなんて、聞いてま」

 ギギギ ・・・ ガッガ・・・ガ ガ・・・

 「うわあっ!!で、出た・・・!!」

 
「♪Of it shines and two those to the shine where it goes who welcome it.
 Let's guide it to a dream forest.
 However, it is the forest splash taking care.
It becomes impossible to go out when careless.
 However, . ..pitiful.. ..the wandering.. ..the floatage... in the dream♪」

 またまた、舞崎さんにようにスラッとした美形で。
 赤い鎧に身を包ませ、その鎧と同じく真っ赤な髪をしている。
 そして右手には、私の身長の半分くらい(因みに・・・ゴホゴホ・・・㎝だが)の剣を持っている。その剣には、アクセサリーなのか薔薇と蔓が飾られていた。
 歌声のキーの低さからして、男性らしい。
 
 だが、赤い鎧よりも髪の毛よりも、野獣の様なオーラを放っている薔薇の剣よりも恐ろしかったのは、こいつの歌っている歌詞だった。
 英語での歌詞になっているが、これを和訳すると

 照りゆく光りの中に 歓迎者2人
 夢の森へと ご案内しましょう
 ただ気をつけて、その森はね
 うっかりしてると出られなくなるよ!
 夢の中を、ただ哀れに彷徨うのさ。

 「すげー。綾依たん外国語もできるんだなっ。」
 「まあね、一応大学で語学を専攻してっから・・・っておいっ!」
 ますます危険じゃないか。
 「もう嫌!どんだけ私を危ない世界に引きずり込めば気が済むんだよっ!私、帰る。もう帰るー。」

 「お待ちください、お嬢様」

 はへ?今、あの剣士さん・・・
 舞崎さんもポカンとして剣士さんを見ている。

 「私達は、お2人方がこの館にいらっしゃるのを楽しみに待っておりました。ですから、ぜひ少しだけでもここでお楽しみになっていただきたいと・・・」
 
 狂人の館で楽しめと。・・・は、笑わせてくれんよ・・・。
 舞崎さんも同じ事を考えているらしく、その美形を歪ませ、皮肉たっぷりで邪悪な笑みを浮かべていた。

 「ふん、面白いじゃねーか・・・」
 
 え、こういうパターンは・・・まさか・・・

 「正面突破で堂々と乗り込んでやるよ、なあ綾依たん?」

  ・・・・何故
  何故、こうなる。

 赤い剣士さんが、にやりと笑ったような気がした。