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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ヤミノナカデ ( No.3 )
- 日時: 2009/12/29 19:55
- 名前: ショーコ ◆2DNEbF3uNY (ID: zflF3NFd)
01
月が 嫌味なほどに輝いていた
あたりは、一面血の海だ
まるでこの世そのものが元から真っ赤だったかのような
狂った紅
子供、大人、老人
様々な死体が幾重にも重なっている
その傍ら
空を仰ぐように地面に転がる少年があった
まだ、死んではない
「まだ」というのは、その少年の生気が僅かしか
感じられないからである
頭からは紅を流し、腹は抉られ
足は不自然に曲がっている
折れているのだ
眼球も片方が潰されている
——何が起きたのか、まったく思い出せない
少年は無事な片目で血の海を見つめている
——これは…何の悪夢だろう…
少年が己の体を弄る
他人の血かべっとりとこびり付いていた手に
新たに自分の紅が付いた
——そうだもう一度眠ろう そうすればきっと
——悪夢から覚めているはずだ
少年は、瞼を下した
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