PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ヤミノナカデ ( No.12 )
- 日時: 2010/01/24 13:04
- 名前: ショーコ ◆2DNEbF3uNY (ID: 2gVh92pS)
04
部屋の外は、まさに豪華絢爛そのものだった
「…すげぇ…」
思わず少年はぽつりと漏らす
「だろ?
俺が認めただけあるだろ、この屋敷」
男が少し得意げになる
こくん、と頷かずにはいられなかった
壁やら天井やら机やら
何から何までがキラキラと輝きを放っている
「でもあんまり豪華すぎてもなー…」
「何か言ったか餓鬼」
少年が呟くが
男の凄い剣幕に押され、「いや、何でも…」と
返さざる負えなくなる
そんな時、ふいに1人の少女が歩み寄ってきた
「アンスガーさん! 帰ってきてたんですか」
笑みを浮かべるその少女は、
男に向かって話しかけていた
(この男、アンスガーっていうのか…)
などとかってに納得する少年をよそに、
2人はいろいろと語りだした
「今回はどうだった?」
「いつもと変わりませんよ、特に怪我もありません」
「そうか、そりゃあよかった」
アンスガーが笑う
あらためて見ると、その少女はなかなかに美人だった
無造作に束ねている金髪に
深海を連想させるような青い瞳
「あ、そうだ、お前にも紹介しなきゃな」
いろいろと考えていると、
少年の方を見てアンスガーが言う
「こいつはドニ、俺の部下だ」
少女の頭をぽんと叩きながら、紹介してくれる
「あ、どーも…」
ぺこり、と頭を垂れる
ドニがこちらに視線をやった
正面から見ると、やっぱりきれいだ
「…………よろしく」
少しドニの表情が曇った
「?」
少年は不審がるが、
ドニはそっぽをむいてしまった
PR